影に抱かれて眠れ

かげにだかれてねむれ
上映日
2019年9月6日

製作国
日本

上映時間
108分

ジャンル
ドラマ

ここが見どころ

北方謙三原作の小説『抱影』を「相棒 劇場版」シリーズの和泉聖治が映画化。横浜で酒場を経営する画家・硲冬樹のもとに、彼を兄貴と慕う信治が負傷して転がり込む。窮地に追い込まれた信治に手を貸す一方で、冬樹は純愛を貫く人妻・響子の余命を知らされる。出演は、「二階堂家物語」の加藤雅也、「愛唄 約束のナクヒト」の中村ゆり、「晴れのち晴れ、ときどき晴れ」の松本利夫、「ケンとカズ」のカトウシンスケ。

映画専門家レビュー

  • 映画評論家

    川口敦子

    横浜、野毛。川がある街の裏通り、キャッチボールの3人がモノクロにゆらめいて夏が染みるオープニングにはざわりと胸が騒いだ。そこに立ち戻るエンディングではだが、騒いだ心が虚しくどこかに消えてハードボイルドの骸を無理やり抱かされたような後味を嚙みしめる。形あって心なし――というわけでもないとは思うが、物語の要素をつめ込みすぎて肝心要が見えてこない。やさしすぎる弟分が探していた姉とすれ違う昼下がり、吹き抜ける風等々時々、素敵もあるので余計に惜しい。

  • 映画評論家

    佐野享

    全体に説明過多な場面が多いが、和泉聖治の職人的手腕でさほど気にならない。いかにも北方謙三的なキザな主人公と理想化されたヒロインも加藤雅也と中村ゆりの適度な抑制で快く見ていられる。余貴美子、ビートきよし、火野正平(最高!)らベテラン勢に比してヤクザのボス格が弱く、人身売買の恐ろしさを具体的な画で見せることもないので、ハードボイルドが空回っている印象。ただ、ハマの住人としては、映画を観終わってすぐ野毛の町へ繰り出したくなるくらいの吸引力はあった。

  • 映画評論家

    福間健二

    北方謙三原作で和泉監督の作るヒーロー像は、裏社会の連中にも動じない画家。腕力ある芸術家なら現実にこれに近い人はいる。でも、そんなに気どってるはずないよと加藤雅也に言いたくなった。どの人物の顔からも生気を奪うような平板な「スタイリッシュ映像」で、物語の運びは犠牲にしてもとにかく雰囲気を出したいのだろうが、どういう涙をこらえてのハードボイルドなのか。B級的楽しさの芽はあっても、後半の刺青のエピソードその他、こんなときに何やってるんだと呆れた。

「影に抱かれて眠れ」のストーリー

横浜でいくつかの酒場を経営している画家の硲冬樹(加藤雅也)は、毎晩のように自転車で店を巡回してはしたたかに飲む一方、画家としては内外に名を知られる存在でもあった。ある日、冬樹を兄貴と慕う岩井信治(カトウシンスケ)が、負傷して冬樹のもとに転がり込む。信治は冬樹の店を辞めた後、NPOの慈善団体“碧の会”の一員として、横浜の街の闇に飲み込まれた少女たちを救い出す活動をしていた。信治が一人の未成年の女子を救うために窮地に追い込まれていることを知ると、冬樹は手を貸してしまう。そんな折、冬樹は純愛を貫く人妻・永井響子(中村ゆり)の余命を知らされ、響子への愛を絵に描きたいと思い始める。仲間を守り、愛を貫くため、冬樹はある決断を下す……。

「影に抱かれて眠れ」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「影に抱かれて眠れ」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 2019
公開年月日 2019年9月6日
上映時間 108分
製作会社 BUGSY=ドリームエンタテインメント
配給 BS-TBS (配給協力:トリプルアップ)
レイティング PG-12
公式サイト http://kagedaka.jp/
コピーライト (C)BUGSY

「影に抱かれて眠れ」のみんなのレビュー

「影に抱かれて眠れ」のレビューを書く

映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 1/20

デイヴィッド・リンチ(1946)

ようこそ映画音響の世界へ

ハリウッドの映画音響に焦点をあてたドキュメンタリー。その進化において大きな偉業を残した「市民ケーン」「鳥」「ゴッドファーザー」などの名作から映画音響の歴史を紹介。さらに、スペシャリストたちと共に“音”が映画にもたらす効果と重要性に迫っていく。出演は「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「スター・ウォーズ」のベン・バート、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストローム。

デニス・ホッパー/狂気の旅路

個性派俳優でありアメリカン・ニューシネマを代表する「イージー・ライダー」を監督、アーティストとしての顔も持つハリウッドの反逆児デニス・ホッパーの半生を追うドキュメンタリー。関係者の証言や未公開映像を交え、その足跡と映画史における役割を辿る。デニス・ホッパーの大ファンだったニック・エベリング監督が、1970年代初頭から約40年にわたりホッパーの右腕だったサティヤ・デ・ラ・マニトウをはじめ家族や友人・知人らによる数々の証言や、自ら集めた未公開映像をもとに構成。
エヴァン・ピーターズ(1987)

ボーダーライン:ソマリア・ウォー

海賊が蔓延るソマリアで現地取材を行ったジャーナリスト、ジェイ・バハダーの手記を映画化。2008年。伝説のジャーナリスト、シーモアの影響を受けたジェイは、ソマリアの現地取材に向かう。危険な取材の中、使命感を芽生えさせてゆくジェイだったが……。出演は「X-MEN:ダーク・フェニックス」のエヴァン・ピーターズ、「キャプテン・フィリップス」のバーカッド・アブディ、「ワーキング・ガール」のメラニー・グリフィス、「ゴッドファーザー」のアル・パチーノ。

X-MEN:ダーク・フェニックス

特殊能力を持つミュータントたちの活躍を描いた人気シリーズ「X-MEN」第7弾。X-MENの一員であるジーン・グレイが宇宙で事故に遭遇。これによりダークサイドが覚醒し、世界を滅ぼすほどの強大なパワーを持つダーク・フェニックスに変貌する……。出演は前作「X-MEN:アポカリプス」に引き続きジーン・グレイを演じるソフィー・ターナー、「ミスター・ガラス」のジェームズ・マカヴォイ、「エイリアン:コヴェナント」のマイケル・ファスベンダー。「X-MEN:アポカリプス」の脚本を担当するなど、長年にわたってシリーズに携わってきたサイモン・キンバーグが、長編映画初監督を務める。

NEW今日命日の映画人 1/20

オードリー・ヘップバーン(1993)

マイヤーリング

1957年にテレビ番組『プロデューサーズ・ショーケース』の1本として1度だけ全米生放送された作品。以後、目にする機会はなかったが、当時の技術“キネスコープ”で録画されたマスターを復元し、劇場公開が実現した。オードリー・ヘプバーン(「ローマの休日」)とメル・ファーラー(「戦争と平和」)の夫婦共演も話題に。

ローマの休日 製作50周年記念デジタル・ニューマスター版

アメリカン・フィルム・インスティテュートが2000年に発表した“アメリカが生んだ最も素晴らしいラブストーリー ベスト100”の第4位に選ばれた恋愛映画。製作から50周年を迎え、“デジタル・ニューマスター版”として再び公開された。この映画によって、主演のオードリー・ヘプバーンは無名の女優からハリウッド・スターとなった。なお脚本は、当時の赤狩りでハリウッドから締め出されていたダルトン・トランボが、友人のイアン・マクラレン・ハンター名義で初稿を執筆、これにハンターが手を加えたものを、さらにジョン・ダイトンが改稿するかたちで決定稿に至った。初公開時はトランボの名前は伏せられていたが、のちに当時の事情が明らかになり、デジタル・ニューマスター版には新たにトランボの名がクレジットされている。