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奈良を拠点に活動する塩崎祥平(「茜色の約束 サンバdo金魚」)が、作家・折口信夫の『死者の書』をヒントに作り上げたドラマ。両親に画家の夢を否定されて以来、定職にも就かず、実家でニートな生活を送る38歳の香奈。その前に、謎の青年が現れる。香奈を演じる陽月華(「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」)は、元宝塚のトップ娘役出身で、本作が初主演。共演は「サバイバルファミリー」の小日向文世、「聖の青春」の竹下景子。
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映画専門家レビュー
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映画評論家
上野昴志
こういうのを、意余って力足らず、とでもいうのか。なにしろ奈良で、折口の『死者の書』があり、伝説の中将姫に大津皇子がありと、観念とイメージが盛り沢山なうえ、娘を連れて実家に帰ってきた次女(佃井皆美)がやたら眼をむいて大声出すので、腰が退けてしまう。美しい奈良の風景ですと映し出された映像も、後半はともかく、目を見張るほどのこともない。中将姫の化身でもある香奈(陽月華)が大津皇子と共に去った後の家族の様子も、余計者が消えてすっきりみたいに見えるのは僻目か。
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映画評論家
上島春彦
これは折口信夫の名作にインスパイアされた企画のオマージュ的意図が素直、という点で悪くないのだが御当地映画で終わってしまった。ただし川本喜八郎の人形アニメ「死者の書」を見ておくと二倍楽しめる。というか最低限、折口を概念だけでもさらっておかないと、わけが分からない観客続出ではないか。男女の主人公が古代人の転生なのだが、そう言われてそうですかと素直に思う人は多くはない。分かる前提で話を広げすぎ、桃源郷伝説が出てきたり電力テロが起こったり、忙しすぎる。
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映画評論家
吉田伊知郎
ご当地映画は色々観てきたが、奇ッ怪さにおいてはダントツ。正攻法の家庭劇を装いつつ、浮世離れしたヒロインの神秘体験が唐突に飛び出し、マルチ商法にはまる竹下景子がかつてない狂った演技を見せる。全てを受け止める小日向文世に感心しつつ、何故この映画に出たのか疑問は膨らむばかり。クストリッツァばりの地下世界が広がり、果ては黄泉の国(?)へと繋がったりと、スピリチュアル&宗教映画を超えた地点に到達してしまう奈良の奥深さよ。近年の大林映画と近いようで違う。
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「かぞくわり」のストーリー
太陽が三輪山から上り、二上山に沈む奈良。この地には、1300年以上の歴史を誇る寺があり、そこに祀られる曼荼羅を一夜にして織り上げたという姫の伝説があった。その姫の生まれ変わりである香奈(陽月華)は、平凡な家庭で育つが、両親に画家の夢を拒絶されたことをきっかけに、定職にも就かず、38歳となった今も実家暮らし。そんなある日、結婚して家を出ていた妹の暁美(佃井皆美)が、娘の樹月(木下彩音)を連れて出戻ってくる。香奈のニートな生き方を受け入れられない暁美が、家族のあり方に意見したことから、生活は混乱。そして、香奈の前には謎の青年が現れる。この出会いをきっかけに、再び画家の世界へと足を踏み入れる香奈。だがそれは、街全体を巻き込む大騒動を引き起こす。やがて、香奈の中に眠る姫の魂が目覚めるが……。
「かぞくわり」の写真
「かぞくわり」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ファンタジー ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2018 |
公開年月日 | 2019年1月19日 |
上映時間 | 129分 |
製作会社 | 「かぞくわり」LLP |
配給 | 日本出版販売 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://www.kazokuwari.com/ |
コピーライト | (C)2018 かぞくわり LLP |
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