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流血、陰謀が渦まく16世紀スコットランドに生きた悲劇の女王メリー・スチュアートの物語。製作はハル・B・ウォリス、監督はチャールズ・ジャロット、脚本はジョン・ヘール、撮影はクリストファー・チャリス、音楽はジョン・バリー、編集はリチャード・マーデン、衣装はマーガレット・ファースが各々担当。出演は女王メリーにヴァネッサ・レッドグレーヴ、エリザベス女王にグレンダ・ジャクソン、他にパトリック・マクグーハン、ティモシー・ダルトン、ナイジェル・ダベンポート、トレバー・ハワード、ダニエル・マッセイ、イアン・ホルムなど。
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「クイン・メリー 愛と悲しみの生涯」のレビューを書く
「クイン・メリー 愛と悲しみの生涯」のストーリー
緑のはえる美しいフランスの城で、メリー(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)は最愛の夫フランソワと幸せな日々を過ごしていた。そのういういしい美しさが、宮廷での彼女をひときわ目立たせた。メリー・スチュアートは1541年12月、スコットランド国王ジェームズ5世の娘としてリンリスゴウ宮殿で生まれた。しかし、生後数日で父が死に、渡仏させられた。アンリ2世とカテーリネ・デ・メディチの宮廷で養育されるためだった。そして16歳でフランス国王フランソワ2世と結婚し妃となったが、わずか2年で夫は急死してしまった。彼女に敵意をもつ義母のカテリーナはフランソワの死の責を彼女におしつけ、宮廷から追いだそうとしていた。悲嘆にくれるメリーの元に、スコットランドから使者がかけつけ、摂政を行なっていたメリーの実母が亡くなったため、異母兄弟のジェームズ・スチュアート(パトリック・マクグーハン)が、彼女にスコットランドに帰り、王位につくようにといってきた。こうしてメリーは13年ぶりに祖国の地を踏んだが、スコットランドはフランス程豊かでなかった。イングランドとの争いや、宗教闘争のために荒廃しており、イングランドのエリザベス女王(グレンダ・ジャクソン)の息のかかった人間が、メリーの生活を監視していた。月日が流れ、メリーの2度目の結婚が話題になり始めると、エリザベスはダドリー(ダニエル・マッセイ)を花婿候補としてさしむけ、彼と結婚すれば、メリーをイングランドの王位継承者として認めるという条件をつけた。そしてダドリーと一緒に、若くてハンサムだが悪評高いカソリックの貴族ダーンリー(ティモシー・ダルトン)も送り込んだ。これはスコットランドを思いのままにしようというエリザベスの策略で、その思惑通りメリーはダーンリーと恋におちた。小心で国王の器量を持たない彼の出現によりスコットランドの宮廷は混乱に陥った。やがて兄ジェームズと新教徒の反乱が起こり、ダーンリーの子(後のジェームズ6世)を産んだメリーは難をのがれた。その間、夫との愛は急速にさめていった。67年、ダーンリーはボスウェル(ナイジェル・ダベンポート)に暗殺された。メリーはもはや何ものにもかえがたいボスウェルを夫に迎えたが、ここでも幸せは長く続かなかった。反対勢力が再び反乱を起こしてメリーを監禁し、幼子ジェームズを立てて彼女に廃位を迫った。捕われのボスウェルの命を救うため、王位を放棄し、彼との再会を約してイングランドへ逃れた。メリーはイングランドで、初めて会うエリザベスに資金と軍隊の援助を乞うが、むげなくあしらわれ、後難を恐れるエリザベスによって囚われの身となった。その後18年余にもわたって陰湿なイングランドの各地で幽閉された。86年、エリザベス暗殺の陰謀事件が発覚し、メリーが陰謀者やスペイン国王と内通している事実が露見した。エリザベスは、自分と同じ女王である者を死刑にするのは好まず、文書で命を乞えば許そうといった。だがメリーは王として育っている息子を思い、それを受けなかった。翌年、ついにフォーザリンゲイ城で最後の日を迎えた。メリーは長い獄中生活で髪も白くなっていたが、ブロンドのかつらをつけ、晴れやかな顔でのぞんだ。燃えるようなスカーレットのドレスに愛と自由と希望に生きた思いのすべてを託し、悲しみの鐘がなり響くなかで、その一生を閉じた。メリーの形見の十字架と聖書を手に、涙したエリザベスは、その後16年間王位を守ったが1603年に死去。生涯未婚で子のなかった彼女のあとは、メリーの一人息子ジェームズがイングランドの王位を継承した。
「クイン・メリー 愛と悲しみの生涯」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1971 |
公開年月日 | 1972年6月24日 |
製作会社 | ハル・B・ウォリス・プロ作品 |
配給 | ユニヴァーサル=CIC |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
「クイン・メリー 愛と悲しみの生涯」のみんなのレビュー
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今日は映画何の日?
NEW今日誕生日の映画人 3/1
- ハビエル・バルデム(1969)
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誰もがそれを知っている
「別離」「セールスマン」のアスガー・ファルハディ監督が、ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムを主演に迎えたサスペンス。スペインの故郷で久々に再会したラウラの家族と幼なじみ。しかし、結婚式で起きた娘の失踪をきっかけに、家族の秘密と嘘が綻び始める。共演は「しあわせな人生の選択」のリカルド・ダリン、「マジカル・ガール」のバルバラ・レニー。撮影監督は「エル・スール」「ボルベール 帰郷」のホセ・ルイス・アルカイネ。 -
パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊
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NEW今日命日の映画人 3/1
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ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン
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ポストマン(1997)
荒廃した近未来のアメリカを舞台に、人々に希望をもたらす郵便配達人(ポストマン)の姿を描いたアクション・ロマン大作。監督・主演は「ウォーターワールド」「ティン・カップ」のケヴィン・コスナーで、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」に次ぐ7年ぶりの監督第2作。脚本はデイヴィッド・ブリンの同名小説(邦訳・ハヤカワ文庫)を基に、エリック・ロスと「ライアー」のブライアン・ヘルゲランドの共同。製作はコスナーと彼のパートナーのジム・ウィルソン、「ロング・キス・グッドナイト」のスティーヴ・ティッシュ。撮影は「モアイの謎」のスティーヴ・ウィンダン。音楽は「ファーザーズ・デイ」のジェームズ・ニュートン・ハワード。美術は「ワイアット・アープ」のアイダ・ランダム。編集は「ウォーターワールド」のピーター・ボイル。共演は「追いつめられて」でコスナーと共演した「コピーキャット」のウィル・パットン、英国の舞台女優で本作がデビューとなるオリヴィア・ウィリアムス、「ラブ・ジョーンズ」のラレンツ・テイト、「スネーク・アイズ」「パンサー」のジェームズ・ルッソのほか、ロック・ミュージシャンのトム・ペティが特別出演。