ブルックリンでオペラをの映画専門家レビュー一覧

ブルックリンでオペラを

「魔女がいっぱい」のアン・ハサウェイと「シラノ」のピーター・ディンクレイジが夫婦役を演じるラブコメディ。ブルックリンで暮らす潔癖症の精神科医パトリシアとスランプ中の人気作曲家スティーブン。そんな一見幸せそうな夫婦に、ある日突然の出会いが訪れ……。共演は「レスラー」のマリサ・トメイ。監督は「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」のレベッカ・ミラー。
  • 俳優

    小川あん

    頑張りすぎると人間は時折疲れる、当たり前のことだ。知らない間に大丈夫になっている、それも然り。スランプに苦しむオペラ作曲家が数奇な巡り合わせから、終盤には元気を取り戻していくハートフルな仕上がりとなっている。今の自分にちょうど良い (素晴らしい意味で) 映画だった。鑑賞後はスッと肩の力が抜けて、さっきまでの悩みがどっかにいってしまう。本作のような肩肘張らない、絶妙なニュアンスの作品が量産されることを願う。そして、疲れたときの散歩はやっぱりいい。

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    軽快なロマコメが急な深刻展開で足を取られたり、そもそも複数のストーリーラインがいっこうにからんでいかなかったりでフラストレーションがたまるのだが、サム・レヴィの撮影の美しさと、クライマックスの大作戦でまあまあアガるのと、オペラ曲とスプリングスティーンの主題歌がいいのとで「まあいいか」という気持ちに。主演として宣伝されているハサウェイがなぜか肝心な局面の前にフェイドアウトしてしまうけど、実質的主役であるP・ディンクレイジと、M・トメイがチャーミング。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    アン・ハサウェイ主演のNYブルックリンを舞台にしたコメディ。精神科医の妻と現代オペラ作曲家の夫の夫婦が主役で、夫は極度のスランプ状態。精神療法の一環で散歩中に出会った女性船長に惹かれ、夫は創作のインスピレーションを得る。長身ハサウェイと小柄なディンクレイジの凸凹カップルのユーモラスなやりとりやNY的多様なキャラでNY讃歌を描こうとしているが、物語のグリップ力が弱い。大都市を舞台にしたスター女優のほんわかコメディという形式がとても色褪せて見える。

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