ブラックライトの映画専門家レビュー一覧

ブラックライト

「ファイナル・プラン」のリーアム・ニーソン主演の犯罪アクション。FBI長官ガブリエル直々に雇われているトラヴィスは、潜入捜査している秘密捜査官を救出する任務を担っている。ある日、救出した捜査官から、FBIが一般人の殺害に関与していると聞く。出演は、「アンノウン」のエイダン・クイン、ドラマ『アンブレラ・アカデミー』のエミー・レイヴァー・ランプマン。監督は、「ファイナル・プラン」のマーク・ウィリアムズ。
  • 米文学・文化研究

    冨塚亮平

    唐突な暴力から一気に展開が加速する、メリハリの効いた序盤の簡潔な演出は素晴らしく、孫を愛でるニーソンの笑顔と、無慈悲に銃火器をぶっ放し市街地でトラックとカーチェイスをする仕事モードの落差も楽しい。だが、監督が今回は脚本を兼任しなかったことが響いたのか、「ファイナル・プラン」を引き継いだ引退の主題よりもリベラルな記者との関係が前景化する中盤から映画は失速。以前ほど動けないニーソンのアクションを際立たせるための工夫も、質・手数ともに同作には及ばず。

  • 日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰

    降矢聡

    自分の妻や娘を誘拐されがちなリーアム・ニーソンは、誰かを救出するアクションスターと言えるかもしれない。そんな彼が本作では潜入捜査官を救うフィクサーを演じている。なるほど今度は自分と似たような者を救う役どころかと思っていると、やっぱり妻と娘が行方不明になってしまうのだから相変わらずだ。ただし、正直だいぶアクションのキレは衰えを感じさせる。また、それ以上に映画の構成自体にキレがなく、ハイライトがどこかもわからないまま気づいたら映画は終わっている。

  • 文筆業

    八幡橙

    齢70を数えるリーアム・ニーソンが演じるは、愛娘が鍵を握った「96時間」シリーズへの返歌とも言える、愛する孫と余生を過ごしたいと願うリタイア目前の秘密捜査官救出人。全盛期のアクションは厳しいという前提のもと、強迫神経症に悩まされる、往年のキレを失った主人公という設定は十分ありだが、それならばそこをしっかり補うべく人物描写やアクションの見せ方、脇を固める面々の配置に捻りと工夫が欲しいところ。何よりラスト含め、要の場面を丸々端折る演出に大いなる疑問が。

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