ガール・ピクチャーの映画専門家レビュー一覧

ガール・ピクチャー

第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞を受賞したフィンランド発の青春映画。最初の金曜日、ロンコは同じ高校に通う親友のミンミを誘い、理想の相手との出会いを求めてパーティーへ。そこでミンミは、フィギュアスケーターのエマと出会う。第95回アカデミー賞国際長編映画賞部門フィンランド代表作品。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    主人公の女の子は情緒不安定。些細なことでキレたりする。薬を飲んでしのいでいる。フィギュアスケートをやっている女の子を好きになる。バーのカウンター。振り返って彼女を見つめる不安げな顔。何かしてあげたいけど、どうしていいかわからない。その顔がずっと残る。もう一人の友達の女の子はセックスに取り憑かれている。したことないのにやたら下ネタを連発する。何をやってもうまくいかない。それでも生きていくしかない。へこたれない彼女たちが必死で滑稽で切ない。

  • 文筆家/俳優

    睡蓮みどり

    ガールはボーイと出会ってラブロマンスが生まれるという価値観にも、恋愛したらキスしてセックスして、しかもそれが嬉しいという顔をしなきゃという価値観にもとらわれずに、女の子としてではなく自分自身として生きるガールズの決して器用ではないこの物語はとてもロマンティックだし熱いしこんなティーンエイジャーだったら最高だったのになぁとドキドキしっぱなしだった。キスシーンもラブシーンも(最近は嫌悪感ばかりだったが)素晴らしい。みんな大好き!

  • 映画批評家、都立大助教

    須藤健太郎

    観客がアセクシャルの存在に気付くための青春映画で学ぶところ多しだが、悪い人が出てこないのがいいところ。ミンミの母親は娘を嫌いなわけではないし、エマのコーチも根は優しい人だと最後にわかる。高校生の話でもいわゆるスクールカーストなどはなく、卑劣ないじめっ子がいるわけではない。「悪い男」も不在である。クラブでナンパしてくる2人組も単に気のいい人たちで、イケメンで女好きだと噂のシピにしても、気分を害したからといって、それで罵声を浴びせたりはしない。

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