キラーカブトガニの映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
上島春彦
冒頭、エログロのつるべうち場面にめげるも、中身は正統的な青春SF特撮映画で狂喜する。少年主人公が健気。発想源が「エイリアン」と「アバター」というのは一瞬で分かるが、監督はロバート・A・ハインラインの明らかな信奉者。名作『人形使い』とか『宇宙の戦士』への敬意が感じられて評価が上がる。女の子にもてないラドゥ君の扱いは少し疑問だが、ラストで華を持たせているので大目に見たい。プロムパーティ、血みどろの惨劇というホラー青春映画の定番にも手間をかけている。
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映画執筆家
児玉美月
浜辺で性行為に耽溺する軽薄そうな男女のカップルが早々に犠牲者になってしまうオープニングをはじめとして、B級映画のクリシェの数々が詰め込まれている。終盤にかけて突如怪獣映画の様相を呈していくのにも驚きがあって飽きさせない。「グレムリン」など80年代あたりのこの手のジャンルの古典的名作へのオマージュ的な作品でもある本作は、「15歳の自分がビデオ屋さんで見つけて楽しくなれる映画」というベロルツハイマーの製作意図に鑑みれば十分な成果をあげているだろう。
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映画監督
宮崎大祐
あざといタイトルからして、物事をあまりまじめに考えず、こんなものさえ楽しめる自分を楽しむ系のいわゆるトラッシュ・フィルムだろうと思って鑑賞したが、演出も美術も予想外に頑張っていた。カーハウスがあり、プロムがあり、というアメリカの郊外に広がるホワイト・トラッシュの日常を描いた現代映画として悪くない。車椅子生活の主人公少年と彼を支えるポジティブな女友達、掛け合いがなかなか決まっているバディ警官など、魅力的な人物さえ写っていれば映像は映画になるのだ。
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