トゥモロー・モーニングの映画専門家レビュー一覧

トゥモロー・モーニング

2006年にロンドンで生まれたミュージカルを新バージョンで映画化。大恋愛の末に結婚したキャサリンとビル。10年が経ち、子供にも恵まれたが、いつの間にか心がすれ違い離婚を決意する。離婚前夜、ふたりは出会ったころの結婚前夜の記憶をたどり始める。出演は、「レ・ミゼラブル」のサマンサ・バークス、舞台『オペラ座の怪人』のラミン・カリムルー。監督は、舞台『ボニー&クライド』などの演出・振付を手掛けた演出家ニック・ウィンストン。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    男が部屋から出てきて車に乗り込もうとする。建物を見上げていきなり歌い始める。なんだこれ? ノリがいまいち?めない。応えるように女も歌で返す。男も女もめちゃくちゃ歌がうまい。二人の歌を聴いているとだんだん乗ってくる。これはこれで能天気に楽しい。離婚前夜のギクシャクしたキツイ会話。結婚前夜はあんなに楽しそうだったのに。10年でこの違い。ずっと耐えている息子が可哀想だった。男と女の好きとか嫌いとかホントどうでもいい。二人とも勝手すぎるよ。

  • 文筆家/俳優

    睡蓮みどり

    格段仲がいいわけでもない知人たちとノリでカラオケに行ってしまい、一方的に延々と歌を聞かされる。歌はうまいのだが、いかんせん音楽の趣味が合わない。お酒を頼んだところで酔うどころかどんどん醒めてくる。この時間は一体何なのだろう……。そんな気分になる映画だった。映像もどことなくカラオケ背景のように思えてくる。2006年に初演のミュージカルとのことだが、目新しさのない恋愛観・家族模様からは、すでに古臭ささえ感じさせ“普遍的な愛の物語”とは言い難い。

  • 映画批評家、都立大助教

    須藤健太郎

    字幕では「独裁者」と訳して処理していたが、相手を非難するときに「ホー・チ・ミンのように振る舞う」と口にしていて驚いた。恵まれている人たちの悩みにこんなに延々付き合わせる映画もいまどき珍しいが、これが時代錯誤のブルジョワ賛歌の反共映画だとしても、ホー・チ・ミン? まさかポル・ポトと間違えてるとかじゃないよね? 単にいけ好かない人たちがいけ好かないことを言ったりしたりしてるだけのお話に見えるんだけど、ミュージカルなので耳に残ってしまう。ラララ♪

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