ビー・ジーズ 栄光の軌跡の映画専門家レビュー一覧

ビー・ジーズ 栄光の軌跡

    全世界で2億2千枚を超えるアルバムを売り上げ、書いた曲は1,100曲、全英・米No. 1ヒットが20曲、トップ10ヒットが70曲。時代の変遷を生き延び、人生のサウンドトラックとなる数々の名曲を作り続けた兄弟グループ「ビー・ジーズ」の軌跡を描くドキュメンタリー。監督は「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを手掛け、スピルバーグ監督を支えるプロデューサーとして数々の名作を送り出してきたフランク・マーシャル。クリス・マーティン、マーク・ロンソン、ノエル・ギャラガー、ニック・ジョナス、エリック・クラプトン、ジャスティン・ティンバーレイクら豪華ゲストも多数出演し、ビー・シーズの魅力について語る。
    • 映画監督/脚本家

      いまおかしんじ

      ビー・ジーズがどんな風にして数多くの名曲を生み出してきたか、わかりやすく描かれる。過去の映像が効果的に使われていて、粗いビデオ画面から当時の雰囲気がビンビン伝わってくる。長男のバリー、双子の弟ロビン、モーリスの三人のキャクターがみんな違って面白い。ロビンがお調子者でいつも変なことをしていて、バリーが苦々しい顔でそれを見ている。モーリスがすぐにまーまーとなだめに入る。その関係は彼らが小さかった頃から大人になるまでずっと変わらない。

    • 文筆家/俳優

      唾蓮みどり

      世代でなくとも、懐かしい、知っているメロディが始終包み込むように流れてきて、心地よい。私のように全然ビー・ジーズについて詳しくない人間からしても、入門としても楽しめる。個人的には「サタデー・ナイト・フィーバー」(77)とアンチディスコの騒動のくだりが興味深かった。ギブ兄弟3人と末弟のアンディ。兄弟バンドだからこその愛情や複雑な思いが見えてくるのもぐっとくるものがあった。音楽がいい。それだけで映画として悪くなりようがない。ファンだったらたまらないだろう。

    • 映画批評家、東京都立大助教

      須藤健太郎

      この映画を見ていて、どこか変な感じがすると思っていたが、その理由はたぶん構成の不在である。起承転結とか序破急とか、そういうパターン化されたもののことを言っているのではないのだが、ともかく全体的に抑揚がないという印象を受ける。もちろん多少はスタイルに変化をつけたり、芸能人生にお決まりの山あり谷ありが語られはするが、時間軸に沿って良いことと悪いことが順に高速で交替していくばかりなので、全体としてはむしろ平坦に均されている。これはこれでいい。

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