シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけの映画専門家レビュー一覧

シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ

実在するゲイの水球チームをモデルにした「シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち」の続編。チームのメンバーは、日本で行われるゲイゲームズ出場のため東京へ向かうも乗り継ぎに失敗。ゲイ差別が横行する異国の地で一晩を過ごすことになってしまい……。監督のセドリック・ル・ギャロ、マキシム・ゴヴァールをはじめ、ニコラ・コブ、ミカエル・アビブル、デイヴィット・バイオットといったキャスト、スタッフが再集結。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    ゲイのふりを続けてきた男が、断りきれずに仲間に連れて行かれて、行った先の男たちがゲイ狩りのヤバイやつらで、急に自分のキャラクターを変えて、なんとか難を逃れるところとかおもろい。彼らがゲイであることが物語を豊かにしている。ならではのエピソードが次から次へと絡まっていって、先が読めない面白さがある。矯正施設にぶち込まれて、男女のエロい映像を強制的に見せられるとことか笑えない哀しさもある。途中から水球の話がどっか行っちゃってるのはどうだろう。

  • 文筆家/俳優

    唾蓮みどり

    それぞれのキャラクターが個性豊かで生き生きとしていて基本的にどのシーンもテンションが高い。シャイニー・シュリンプスのメンバーが道中、同性愛者を矯正しようとする国家レベルでの弾圧に巻き込まれる。“正しい家族のあり方”を説教してくるシーンでの文言は日本で最近見たような? かなりコミカルに描いているが、LGBTQ+への差別的な発言をしている人たちがトップに立ってしまっているこの国では必見なのでは。デイヴィッド・ボウイの曲が世界観にはまっている。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    主題は前作同様ホモフォビアの克服だが、今回はゲイ当事者自身がそれを内面化する、規範への同一化に焦点が当てられている。だが、マグレブ系移民コミュニティに顕著なホモフォビアが特に取り上げられ、人種的偏見への配慮を欠いたまま問題が設定される点に疑問が残る。また何の関係もないのに舞台はロシア、西欧に根付くルソフォビアが利用される。アラブとロシアの2つを外部として位置付けることで、問題含みであるはずのフランス社会が不問に付される。問題なしとはしない。

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