マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説の映画専門家レビュー一覧

マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説

    1960年代、“スウィンギング・ロンドン”と呼ばれたカルチャーの中心人物である伝説のデザイナー、マリー・クワントの素顔に迫ったドキュメンタリー。60年代初め、ミニスカートで大ブームを呼んだマリーは、世界のファッションに革命を巻き起こす。モデルのケイト・モス、ファッションデザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド、ミュージシャンのデイヴ・デイヴィスらが出演。監督は、ファッショニスタとしても知られ、「アーニャは、きっと来る」などで活躍するロンドン出身の女優サディ・フロスト。
    • 映画評論家

      上島春彦

      ミニスカートの大ブームをリアルタイムで知っている身としては、モデルのツイッギーちゃんをもっと見たかった。彼女がほとんど出てこない。ブームの中心ではあったものの、ミニを着用していたのは4年間だけだった、との言葉があり、そうだったかと今さら知る。「ラストナイト・イン・ソーホー」辺りからなのか、スウィンギング・ロンドンをテーマにした映画がどっと増えた。画面がオシャレで絶対のお薦めではあるが、ファッション産業に興味がないので★は伸びない。ごめんなさい。

    • 映画執筆家

      児玉美月

      母が愛用していたため幼い頃から身近にあった「マリークヮント」がイギリスのブランドにもかかわらず、とくに日本で支持されているらしいことは肌で感じていたが、本作はその点にも触れている。マリー・クワントのトレードマークであるミニスカートが、当時いかに革命的であったか。そんなミニスカート姿で生き生きと闊歩する女性たちを映し出す本作は、性差別の視点で見ればファッションの自由が十分得られているとは言い難い現代日本でとりわけ切実に受容されるかもしれない。

    • 映画監督

      宮崎大祐

      第二次大戦までフランスのひとり勝ち状態だったファッション界に一石を投じたイギリスのファッションは父権的な社会制度への批評意識が織り込まれていることが大きな特徴である。そんなイングリッシュ・デザイナーの代表格であるマリー・クワントの服を着ることはすなわち女性たちの社会への態度表明でもあった。マリーのキャリアを追うことでいみじくも戦後イギリス文化史があぶり出されるという構造は前回取り上げた映画「ブリティッシュ・ロック誕生の地下室」とよく似ている。

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