クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男の映画専門家レビュー一覧

クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男

ダニー・ボイル製作総指揮の下、数々の人気バンドを送り出し、90年代ロックシーンを席巻したクリエイション・レコーズの創設者アラン・マッギーの半生に迫るドラマ。ロックスターを夢見るスコットランドの青年アランは、保守的な父親と衝突し、ロンドンへドビだし……。出演は「T2 トレインスポッティング」のユエン・ブレムナー、「名探偵ピカチュウ」のスーキー・ウォーターハウス、「ハリー・ポッター」シリーズのジェイソン・アイザックス。監督は「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」などで俳優としても活躍するニック・モラン。
  • 映画評論家

    上島春彦

    クリエイションも創設者アラン・マッギーも知らず、オアシスというグループの名前も初めて聞いた私では、この映画をきちんと評価できるはずもないのだが、製作総指揮ダニー・ボイルという一点でどうにかする。言うまでもなく「トレインスポッティング」の監督であり、90年代末英国カルチャーの新しい潮流を描く意図は明白。英国映画は編集が元から得意なのでドキュドラマ&MTVという路線が切れ味満点。しかし最注目はアーヴィン・ウェルシュの体制批判的な辛口脚本にある。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    音楽業界にまつわる伝記映画によくあるドラッグやアルコール、セラピーなどの描写がどこかでみたことのあるようなものでしかなく、この映画の独自性がどこにあるのか頭を抱える。人物描写も荒く、アラン・マッギーにどんな天性があり「音楽シーンを塗り替え」るまでに至ったのかも丁寧には描かれず、多くの要素が雑多で映画の要点を?めない。オアシスのサウンドトラックに浸りながらノスタルジーに浸るのであれば事足りるかもしれないが、それ以上のカタルシスはもたらされない。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    あまりにも最高な再現ドラマ。オープニングでプライマル・スクリームの〈Rocks〉がかかった瞬間自動的に身をゆらさずにはいられない90’sUKロック狂である筆者は本作の主人公であるレコード・レーベル「クリエイション・レコーズ」のオーナー、アラン・マッギーこそがロックの神に選ばれた救世主だったのではないかと妄想せずにはいられなかった。だって一体どんな人間がボビー・ギレスピーと幼なじみで、マイブラの代表作をプロデュースし、オアシスを発見できるのだろう。

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