グリーンバレットの映画専門家レビュー一覧

グリーンバレット

「ベイビーわるきゅーれ」の阪元裕吾監督が、ある殺し屋の日常を描いた「最強殺し屋伝説国岡 完全版」の続編。フリーの殺し屋国岡は、新人の殺し屋女子6人を一人前にする訓練合宿のインストラクターとして招かれる。だがある事故が暴発し、凶暴な集団が迫り来る。出演は、2021年のミスマガジン受賞者である和泉芳怜、山岡雅弥、天野きき、辻優衣、大島璃乃、内藤花恋。殺し屋国岡を前作に続き、伊能昌幸が演じる。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    YouTuber的な軽薄さと、若手コント芸人的な台詞の間の面白味は理解できるものの、近年自分の評価(過去にここで「黄龍の村」のレビューもした)と世評とのギャップを最も感じる阪元裕吾作品。ミスマガジンの6人が殺し屋に、主題歌は東京初期衝動、みたいなところに象徴されるドメスティックなサブカルノリがテイストとして合わないというのはさておき、本作も極端な低予算で制作されているのは明らかで、そんなに支持されているならそろそろお金のかかった作品も観てみたい。

  • 映画評論家

    北川れい子

    ここまで本気で不真面目をやられると、もう面白がるしかない。昨年の「ベイビーわるきゅーれ」で、2人組のゆるキャラ殺し屋ギャルを誕生させた阪元監督の、さらなるアブナい打ち上げ花火。女子に特化した殺し屋養成所というのもふざけているが、応募してきた6人の態度とその理由が人を食っていて、演出も若い女優たちの演技もギャル度全開のおかしさ。伝説の殺し屋による山奥での特訓がまたムチャ振りの連続。そして意外な敵が現れての後半。いやぁ、目一杯、楽しみました。

  • 映画文筆系フリーライター。退役映写技師

    千浦僚

    前号の本欄の対象作品だったガールアクション映画に関して阪元裕吾監督「ベイビーわるきゅーれ」を引き合いにし、その新作はイマイチ、「ベイビー?」は良いと書いたが、まだその意味をつきつめられていない。「グリーンバレット」もイケてた。ミスマガガールズが伊澤彩織氏ほど鍛えられてなくても高石あかり氏ふうのメリハリでやれるということか。若者の日常感ダラダラ感をアクションと残酷への壮大なフェイントにするという方法論か。加えて本作には伊能昌幸=国岡がいる。強い。

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