アドレノクロムの映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
上島春彦
タイトルの意味を知らなかったので調べた。国際的陰謀論までどっとネットに出現し、呆れる。気分が悪い人身売買の話もあるが、ここでは要するにカニバリズム(人肉食)で若返ろうという意味。若見え有名人は皆、この化学成分を注入しているという都市伝説あり。戦場帰りのタフな若者が組織に闘いを挑む。若い映画人が製作する幻覚剤映画というのはなぜか時々アメリカに現れる。コンラッド・ルークスの「チャパクア」とか。自作自演の企画ならではの幻想場面満載で入門者向きだね。
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映画執筆家
児玉美月
こういった低俗にみえることさえ厭わないような映画に低い点数をつけること自体ナンセンスな気がして憚られてしまうが、かといって高得点をつけるのもいかがなものか。デジタル時代の実写映画など全てアニメーションのようなものだと言われればそうかもしれないが、ここまで画面に加工を施されると、筆者のなかで痛みを伴いながら拡張していくばかりの映画の定義からも外れることは免れない。そもそも映画のほうにしてもキマりたい奴だけキマればいい、というスタンスなのだろうが。
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映画監督
宮崎大祐
薬物を摂取せずとも宇宙の彼方までブッ飛んでいったような気分にさせてくれた「レクイエム・フォー・ドリーム」や「エンター・ザ・ボイド」レベルの創造的飛距離を期待していたが、あいにく本作は映画サークルのメンバーが撮ってきた素材にiMovieでエフェクトを施したようなクオリティであった。あらゆる幻覚剤が禁止されているこの国でこうしたドラッグムービーを見るのは、3Dサングラス抜きで3D映画を見ているのに等しい行為なのだろうか。筆者には見当がつかない。
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