京都カマロ探偵の映画専門家レビュー一覧
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脚本家、映画監督
井上淳一
こんなベタベタなVシネマ風を観たのはいつ以来か。探偵+やくざモノなのだが、どっちつかずでどっちの魅力もない。シリーズ狙いだとしても、謎を次作に残すことと人物が意味不明なのは同義ではない。すべてがいつかどこかで見た風景で新鮮味が全くなく、ワクワクもドキドキもしない。娯楽を目指すことは主義主張を捨てることではない。娯楽の中で何が表現したいか。これをお金を出して観る人の気持ちになって欲しい。次からはちゃんと脚本が読める人を周りに置いて、本物の娯楽を。
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日本経済新聞編集委員
古賀重樹
スポーツカーが疾走し、女性のスカートがまくれる巻頭から、すごいB級感。探偵という設定も、公道でのレースも、いいぞ、いいぞ、いかにもジャンル映画だ。寺社や橋という京都らしい風景、舞妓、焼肉、ゲイ、京都弁。2時間ドラマっぽいチープな画面。さあこいつがどう展開するのかとワクワクしていたら、あれれ。ヤクザとIT企業の暗闘にチンピラたちが割って入るという、これまた凡庸としかいいようのないドラマのまま終わった。なんなんだ。ビデオ映画へのオマージュか?
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映画評論家
服部香穂里
タイトルにまで銘打つほど京都が舞台である必然性を感じられぬまま、東京に話が飛んでしまう謎。出し惜しみするほど複雑なプロットでもないはずなのに、終盤近くになって思わせぶりな裏設定をチラつかせ、回収されずに放置されていくのも、続篇を視野に入れているのかもしれないが、不誠実な印象を与える。役者やミュージシャンとしても活動する監督が、幅広い人脈を生かして仕事仲間と楽しく撮ったものを“映画”として見せられても、内輪なノリや弛緩したトーンに疲労感が募る。
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