バーニング・ダウン 爆発都市の映画専門家レビュー一覧
バーニング・ダウン 爆発都市
アンディ・ラウが「ホワイト・ストーム」に続き、ハーマン・ヤウ監督とタッグを組んだアクション。爆発に巻き込まれ左足を失ってしまった爆弾処理班のエース、フォン。警察を辞め、姿をくらませたフォンだが、組織によるホテル爆破の現場で重体となって発見される。共演は「レクイエム 最後の銃弾」のラウ・チンワン、「悟空伝」のニー・ニー。
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映画評論家
上島春彦
アンディが「仁王立ち」ならぬ「仁王ぶら下がり」。このクライマックスに即感動。これはアリババ作品だが紛れもなく香港映画である。とはいえねじれにねじれた作劇で、ちょっとでも目を離すと物語が分からなくなる。優秀な爆弾処理班員だった彼がなぜテロリストになったのか。しかも彼自身は途中から記憶喪失者、自分でも事情が分からない。これが鋭い二重三重の罠。ゲスト的なラウ・チンワンよりも、憤怒の形相で元同僚を追っかけるフィリップ・キョンのキレあるアクションを見よ。
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映画執筆家
児玉美月
いきなり大爆発が起こる迫力感と疾走感あふれるアヴァンタイトルには、これからこれ以上のことが起こるのかと一瞬思わされもするのだが、その後も一向にテンションが落ちることなく駆け抜けていく。記憶と片足を失ったアンディ・ラウのアンチヒーローぶりが炸裂しており、彼の肉体を生かしたアクションも見応えがあるため、中華圏のこのジャンルを愛好する観客を裏切らない出来ではないだろうか。ラウ演じる主人公の恋人とのラブロマンスを巡るラストの時系列の操作も洒落ている。
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映画監督
宮崎大祐
ウクライナ以前にお膝元で生身の人間が血を流し傷ついている時代にさすがにこれはないだろうという核の無駄使いにはじまり、前時代的な善悪二項対立には怒る気も失せるが、そもそもそういうところを問う映画ではなかろう。ではアクションはどうか。カット割りとカメラ・ポジションが不適切で、ほとんど何が起きているのかわからない。アンディ・ラウは何をするにもきまっているし、防爆スーツトライやスカイダイビング密談、暗視カメラ・アクションなどのディテールは面白いのだが。
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