リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイスの映画専門家レビュー一覧
リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス
アメリカ西海岸を代表するシンガー、リンダ・ロンシュタットの半生をたどるドキュメンタリー。ロック、ポップス、カントリー、ソウルなど、様々な曲を歌いこなし、グラミー賞を10度受賞。日本でも人気を誇った彼女の輝かしい栄光と、その後の知られざる人生に迫る。ジャクソン・ブラウン、エミルー・ハリス、ドリー・パートン、ボニー・レイット、ライ・クーダー、ドン・ヘンリーといったミュージシャンや、映画監督のキャメロン・クロウも顔を見せる。監督は「ラヴレース」のロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン。
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映画監督/脚本家
いまおかしんじ
リンダ・ロンシュタットという人が、どういうふうに歌手になって、歌い続けてきたか。その時代の音楽状況も丁寧に描写されていて、勉強になる。ただインタビューされる人たちが、ことごとく褒め一色なのはどうかと思った。彼女の歌はすごくいいし、彼女の努力もよくわかるのだが、もっとダメなとこやヤバいとこも見たかった。言葉の端々からそれが見えるだけに残念だ。後半、パーキンソン病の彼女がおぼつかない声で歌うセッションが良かった。ダメねと笑う彼女がキュート。
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文筆家/女優
唾蓮みどり
ティーンネイジャーのリンダが歌の世界を夢見てやがてスターになる。子供の時から家で流れていたりして、無意識に聞いていたせいなのか、歌声を聴くだけですぐ潤んでしまう。とはいえ彼女のバックグラウンドについては何も知らなかったのだ。兄姉たちとバンドを組んでいたことにも驚いたし、それにオペラにも出演していたなんて! リンダのパワフルさと愛らしさなどの魅力はもちろんのこと、愛情に溢れている映画だった。永遠に愛されて欲しい歌手の一人。夢がある世界はいいなぁ。
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映画批評家、東京都立大助教
須藤健太郎
ベタなものの圧倒的な勝利。米国エンターテインメントの底力はたぶんこんなところにある。半生を語るリンダ・ロンシュタット本人に加え、彼女をよく知る関係者たちのインタビューが案内役だ。なぜ本人の姿を映さず、ひたすら声だけを聞かせるのだろうと疑問に思う人もいるだろうが、多くの人はこれはきっと最後に登場させるための伏線作りだと途中で気付くにちがいない。しかし、それでも、現在のリンダが画面にふいに現れ、現在の歌声を披露するくだりに心を動かされてしまうのだ。
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