Gメン(2022)の映画専門家レビュー一覧

Gメン(2022)

小沢としおの人気コミックを映画化した青春アクションエンターテインメント。問題児だらけの私立武華男子高校1年G組に転入してきた門松勝太。まっすぐなその性格に惹かれた仲間たちと楽しい日々を過ごしていた勝太に、凶悪組織・天王会の魔手が忍び寄る。出演はこれが映画初主演となる岸優太(「ニセコイ」)のほか、「ぐらんぶる」の竜星涼、「きさらぎ駅」の恒松祐里、「水は海に向かって流れる」の高良健吾、「女子高生に殺されたい」の田中圭。
  • ライター、編集

    岡本敦史

    これまた東映の伝統を感じさせるヤンキーバイオレンスコメディの最新形態。若い頃の大泉滉(言っておくがすごいハンサムだった)を思わせる主演の岸優太をはじめ、元気いっぱいの若手キャスト陣と、それをサポートする高良健吾、田中圭、吉岡里帆といった実力ある先輩たちのアンサンブルが楽しい。バラエティ番組感の強いコメディ演出は賛否あるだろうが、スベることを恐れずなんでもかんでも投入する精神にも懐かしさを感じた。カッティングのセンスも鍛えれば、本当にモノになるかも。

  • 映画評論家

    北川れい子

    “Gメン”という言葉で、ついアメリカ映画やドラマに登場する特別捜査官を連想してしまったが、ナント、高校の問題児ばかりのクラス“G組”を指すとは。ヤンキーなど人騒がせな連中。そんなG組に転校してきた主人公が、持ち前の屈託のなさで、バラバラだったクラスに愛と友情の打ち上げ花火。普通の生徒たちは青ネクタイなのに、G組は偏見と差別の赤ネクタイ。主人公が言う、俺たち這い上がってやろうぜ、が頼もしい。大マジメな演出と演技が逆に笑いを誘い、吉岡里帆も負けずに怪演。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    ボンクラ高校生がヤンキークラスに転校して恋と喧嘩に明け暮れる王道の作りながら、岸優太がひたむきさと愛嬌を併せ持つ演技で突出。なぜ今まで主演映画が作られなかったのか。急速なズームやパンを挟む編集が多用されすぎていたり、笑いが不発という不満はあれど、この手の作品につきまとうルッキズムと童貞への画一的視点から踏み出し、ある人物がゲイであることを告げる場面の処理も良い。実年齢を意に介さない無茶な配役によって演技層に幅が生まれ、破天荒な設定を成立させる。

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