a-ha THE MOVIEの映画専門家レビュー一覧

a-ha THE MOVIE

    1985年にリリースしたデビュー曲「テイク・オン・ミー」が、その革新的なミュージック・ビデオと共に世界中を魅了し、瞬く間に頂点に上りつめたノルウェー出身のシンセポップバンド〈a-ha〉の軌跡を追ったドキュメンタリー映画。オスロの3人の若者たちは “国際的なポップスターになる”という夢を信じ、ノルウェーから世界へと羽ばたいた。今なお世界中にファンを持つ彼らの真実に迫る。
    • 米文学・文化研究

      冨塚亮平

      結成から解散、ソロ活動を経て再結成へと至る35年超の軌跡を素直に追った構成に目新しさはないものの、MTV時代の申し子としてビジュアル重視で売り出されて成功したバンドが次第に音楽性を変化させながら長い年月をサヴァイブしていく様子は、ファン以外にとってもそれなりに興味深いものだろう。なかでも、コールドプレイやウィークエンドといった後進への影響が指摘された後で現在のバンドによって演奏される、〈テイク・オン・ミー〉のアンプラグドバージョンが思いのほか良い。

    • 日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰

      降矢聡

      有名になり自分らしさを見失い、関係が悪化していくという?末は、ショービズ界に限ったことではなく、普遍的な事柄だろうし、語られる意義もあるだろう。映画はa-haの音楽的な評価よりも、メンバー同士の関係性にドラマを見出す。しかし、描き出されるのは例えばメンバーたちは一緒に写真を撮りたがらないといったようなエピソードで、具体的な凄みに欠けるのが、この映画の弱さのように思える。ただ、良き物語を拒むように最後までメンバー同士が静かに不仲なのが印象的。

    • 文筆業

      八幡橙

      イントロとファルセットの効いたサビの声、繊細な線画が生き生きと動き出す、あのMV……。名曲〈テイク・オン・ミー〉の何もかもが、深夜ラジオを毎日聴いていた浪人時代を思い出させて懐かしいことこの上なし。当時、確かにアイドル売りされているようにも思えた彼らの名声の裏でひしめく才能や野心、共同作業と自我の境の葛藤などを結成から40年近い歳月を経て切り取るドキュメンタリー。普遍のテーマも汲みつつ、人間としての一面により深く踏み込んでほしかった感も。

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