ロスバンドの映画専門家レビュー一覧

ロスバンド

ノルウェー発青春音楽ロードムービー。ドラム担当のグリムと親友でギター兼ボーカルのアクセルは、ロック大会に出るため練習に励んでいた。ベーシストとして9歳のチェロ少女ティルダを仲間に入れて、名ドライバーのマッティンの運転で開催地に向かうが……。ベルリン国際映画祭2018ジェネレーション部門ノミネート作品。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    音痴の男の子が音痴のままでどうなるのかが見たかった。あそこで選手交代はないやろ。何とか助ける方法はなかったろうか。登場人物たちはみんなヘタレだ。ヘタレたちが少しずつ集まってくる導入は、ワクワクした。それぞれのキャラクターは面白いのに、話が盛り上がっていかないのはなぜだろう。もう一歩、何かアイデアが足りない気がした。少女誘拐のネタも、こんなんすぐ捕まるやろと思うが、なかなか捕まらない。ご都合をぶっ飛ばす、珍妙なエピソードが欲しかった。

  • 文筆家/女優

    唾蓮みどり

    タイプの違う少年たちアクセルとグリムに、孤独な9歳のチェリストの少女と17歳の名ドライバーが加わり、バンド大会へと向かって車が走り出す。これはひとつのバンドがバンドになる序章の物語だ。どの登場人物も好きにならずにいられない。ロードムービーの途中にはさらにいろんな人が加わり、問題は連発する。不思議と何度も涙が溢れてきた。特に、アクセルが音痴だと言い出せないグリムの優しさには胸がきゅっとなる。しかし、音痴役って実はすごく難しいのでは。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    最初は困惑して頭を抱えていたが、だんだんこの映画のあり方に慣れていき、気付くと意外と楽しんでいた。グリムがアクセルの下手な歌を評して「コーヒーみたいなもの、慣れると美味しくなる」と言っていたから、この映画自体がまさにそんなコーヒーということ。狙って音痴になることができないのと同じで、下手くそなものを作るのは実は下手くそにはできず、下手に見えるようにするには丁寧な配慮が必要だったりもする。警察署の奪還作戦がいい例だ。白々しさに宿る一抹の美徳。

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