RAMEN FEVERの映画専門家レビュー一覧

RAMEN FEVER

    日本の国民食「ラーメン」の世界的人気とその奥深い魅力を検証しながら、ラーメンの伝道師として活躍する天才兄弟、中村比呂人(ひろと)&栄利(しげとし)の情熱に迫るドキュメンタリー。アメリカ・イギリス・カナダなど世界6カ国、計21都市で撮影が行われた。弟の中村栄利はニューヨークの名店「NAKAMURA」の天才シェフ。兄の中村比呂人は人気ラーメンチェーン「AFURI」の代表取締役。彼らが語るラーメン哲学とは……。「二郎は鮨の夢を見る」の監督デヴィッド・ゲルブが世界を魅了するラーメン文化の深度を語り、福島県白河の中華そば「とら食堂」の竹井和之や、世界的トップシェフの成澤由浩、イタリアン・シェフの山田宏巳らがラーメンの味の神秘を語る。監督の小林真里はプロデューサー、脚本、撮影、編集を兼任。
    • 脚本家、映画監督

      井上淳一

      →その点、こちらは明快だ。『情熱大陸』と見紛う作り。いや情熱の方が数百倍上手い。何がやりたいか分からない。家族話いらないし。普通は一点突破全面展開で、ラーメンを描くことで食の在り方やひいては世界を描こうとするのでは。その点、「カナルタ」とは天と地だ。同列に語っては申し訳ない。でも映画なのかという問いは変わらない。映画とは何か。それは自分に向けた問いでもある。しかし観終わってラーメン食べたくならないラーメン映画って、ある意味スゴい。映画は難しい。

    • 日本経済新聞編集委員

      古賀重樹

      ニューヨークのラーメン店のカリスマシェフ中村栄利と、その兄でチェーン店を展開する中村比呂人。2人の活躍を軸に世界的なラーメンブームの内実に迫るドキュメンタリー。海外のラーメン好きや有名レストランのシェフらが証言する前半は、クールジャパン信奉者が泣いて喜びそうなラーメン讃歌のオンパレード。後半は一転して、天才肌の弟と経営者気質の兄の対立、決別、和解という家族の物語。始終しゃべっているインタビュー中心の構成で、どんなラーメンなのかはよく見えない。

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