グレタ ひとりぼっちの挑戦の映画専門家レビュー一覧

グレタ ひとりぼっちの挑戦

気候変動対策を訴える環境活動家グレタ・トゥーンベリを追ったドキュメンタリー。15歳の時にたったひとりでストックホルムの国会議事堂前で始めたストライキが一大ムーブメントとなり、2019年には気候行動サミットで強いメッセージを発した彼女の素顔に迫る。世界から注目を集める1年以上前から彼女に密着し、犬や馬と戯れるリラックスした様子や自身のアスペルガーの症状について分析する姿、重圧と葛藤、彼女を支える家族の姿も映し出す。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    グレタの顔がいい。頑なでいつも不機嫌そうな顔。時々笑うと可愛い。彼女を見ているだけで、映画を見ていられる。気候変動問題を語るグレタの言葉は、危機感でいっぱいだ。焦ってるのが伝わってくる。無理しないでほしいと願う。蒲団に潜り込んで出てこないグレタを見て、本当はまだまだ子どもなんだと思う。15歳だもんな。発作的に繰り返す足踏みが可愛い。あと、気になるのはお父さんだ。グレタの行動にいつも付き添っているお父さんは、仕事とかどうしてるんだろうか。

  • 文筆家/女優

    睡蓮みどり

    言葉が伝わらないことに思わず涙するグレタさんのことを、感情的だとか、バックに誰かいるとか、目立ちたいだけだとか好き勝手に叩く人々に本当に腹がたつ。映画としてはとてもシンプルな作りで、カメラはずっと横にいて同じ高さで彼女を見つめている。彼女はただ、環境問題が悪化していることに心の底から胸を痛めていてそれを訴えかけているだけなのだ。他のメディアが作り上げてしまったイメージとは全然違う。それを映しているだけで十分にこの作品が作られた意味がある。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    グレタが父親と喧嘩している場面で、カメラは2人を遠めから撮っているのに声がやけにクリアで、ああ、これはピンマイクでも仕込んでいるのかと思ったら一気に白けた。そこからはどうも構成が先に立つことが気がかりになった。スターダムへの道を歩む前半があり、逆風にもめげずに活動を続けて最後はヨットで大西洋を横断。NYの国連本部での、あの有名な「How dare you!」がクライマックスなわけだ。あとは字幕でって、まるでもう終わったことを扱うような手つき。

1 - 3件表示/全3件