ホテルレイクの映画専門家レビュー一覧

ホテルレイク

『王になった男』のイ・セヨン、「犯罪の女王」のパク・ジヨン、「チェイサー」のパク・ヒョジュ競演によるホラー。仕事の都合で、叔母の経営するホテルに妹を預けることにしたユミ。だが、ホテルに足を踏み入れるとすぐにユミは奇妙な違和感を覚えるのだった。監督・脚本は、韓国の新鋭ユン・ウンギョン。
  • 米文学・文化研究

    冨塚亮平

    客のいない田舎のホテル、他人のような妹、かつて死んだ母と過ごした空室、不審すぎる唯一の従業員、行方不明の脱北者といった裏に何かありそうな設定そのものは悪くないのだが、物語を駆動する母娘の確執とそれらの要素がうまく絡まず、サスペンスを持続させる演出もほぼ見られないため、あまり機能していない。鏡の中だけに映る女の霊や画面外から伸びる手など、頻出する死角を強調した恐怖演出は、B級的な味があるわけでもなく、いずれも新味に欠ける安易なもので精彩を欠く。

  • 日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰

    降矢聡

    逃げ隠れる場面において重要なのは、やり過ごせたかに見え、ほっと一息ついたまさにそのときに見つかってしまう呼吸と角度だが、その瞬間にとくに注意を払っているようには見えない冒頭からすでに作品に乗れず。また、いま何階なのかも曖昧な撮り方はホテルという舞台をうまく生かしているようにも思えない。さらにはガラス破片を素手で持つという選択やそのガラス破片が一切活躍することもなく気づいたらなくなっている終盤のシーンなど疑問点がいくつも浮かんでしまった。

  • 文筆業

    八幡橙

    身寄りのない少女を主人公が引き取る始まりは「エスター」を、湖畔のホテルでの怪現象は「シャイニング」を、目隠し遊びや霊能力者との格闘は「死霊館」を……と、既視感ある場面が続く。舞台となるどこか不気味で瀟洒なホテルをはじめ、母親の自殺、周辺で起こる謎の事件、酒に溺れる従業員などお膳立ては完璧だが、核となる物語の芯が最後まで見えないため戦慄まで至らず。子役出身のイ・セヨンを筆頭に気になる女優が揃っただけに、より濃密なドラマを期待してしまった。残念。

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