スパイラル ソウ オールリセットの映画専門家レビュー一覧

スパイラル ソウ オールリセット

スリラー「ソウ」シリーズの2~4作目を手がけたダーレン・リン・バウズマン監督が「ソウ」シリーズを再構築、猟奇犯ジグソウの後継者を巡る新章。凄惨な事件を捜査するジークは、ジグソウを凌駕するような犯人が仕掛けるゲームに巻き込まれたことに気付く。コメディアンで俳優のクリス・ロックが主演に加え原案・製作総指揮を担当。共演は「アベンジャーズ」シリーズのサミュエル・L・ジャクソンほか。また、「ソウ」シリーズの生みの親であるジェームズ・ワン監督&リー・ワネルが製作総指揮を務めるなど、「ソウ」シリーズに携わってきたスタッフが多数参加している。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    拷問の描写がエグい。こんなんよく考えつくよなと感心した。その残忍さに、犯人は相当狂ったやつだと予想できる。主人公の警察官は、なかなか犯人にたどり着けない。その間にもどんどん人が死ぬ。数々の拷問を見せるのが目的かのように、その様子が執拗に描かれる。実にグロい。気持ち悪い。この描写のエグさはマネできないと思う。犯人が分かって、その理由が分かって、なんか納得いかなかった。犯人がそんな狂った奴に見えなかった。もっとわけ分かんないやつだと良かった。

  • 文筆家/女優

    睡蓮みどり

    映画というか、テレビドラマを観ているという印象だった。肉体的にも精神的にも極限まで痛めつける、あんなにすごい拷問&殺人マシーンを作る才能があるならば、殺人なんてやってる場合じゃないよといいたくなる。犯人に変態性が足りないというか。残虐な「警官殺し」の動機も含めて既視感があった。これまで「ソウ」シリーズをちゃんと追ってきていないのにもかかわらず、ストーリーがなぜか予想できてしまう。しかし過去に8作もあるシリーズの9作目ってすごい人気ぶり。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    この種の映画は最後の「答え合わせ」に顕著だが、フラッシュバックで成り立っている。犯人の告白しかり、それを聞いて数々の伏線を思い出す主人公しかり。回想が映像となり、映像はかならず誰かに帰属させられる。そういう意味では、映像の主体を疑わない素朴さがすべてを支える台座であり、そのあたりにどう揺さぶりをかけるかが焦点のひとつ。だが、フィッチの虐殺場面がなぜかジークの回想(幻視?)のように挿入される点に、本作の要領の悪さが露呈している。たぶん凡ミスだ。

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