モータルコンバット(2021)の映画専門家レビュー一覧

モータルコンバット(2021)

日本では未発売ながらも世界中で大ヒットを記録した同名格闘ゲームを映画化。総合格闘技選手コール・ヤングは金のために日々戦っていたが、ある日、地球の守護者ライデンの寺院を訪れ、世界の命運を懸けた格闘トーナメント“モータルコンバット”の存在を知る。出演は「デッドプール2」のルイス・タン、「ライフ(2017)」の真田広之、「ミッドウェイ(2019)」の浅野忠信。監督は本作が長編デビューとなるサイモン・マッコイド。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    例えばアメコミ映画の現在の隆盛は、原作のマニアックなファンダムの外側にいる多様な観客層を意識的に取り込んでいった成果なわけだが、今後ますます増えていくであろうゲーム原作映画は、今のところそのようなサービス精神とは無縁の作品が主流だ(それだけプレイヤー人口が多いということなのかもしれないが)。本作もゲーム内のファンタジーと現実世界とのリンクが希薄かつ曖昧で、原作ゲームをプレイしたことがないと、そもそも作品のロジックについていけない。

  • ライター

    石村加奈

    肉体の迫力に圧倒された。ハサシ・ハンゾウ改めスコーピオン役の真田広之(最高!)と、魔界最強の刺客ビ・ハン/サブ・ゼロ(ジョー・タスリム)との重厚なアクションシーンは“デスバトル”と呼ぶにふさわしい緊張感と迫力で、息を呑む。「脊髄を引き抜いてやる!」など、ちょっと想像もつかない残虐描写の連続で、心身ともにヘロヘロになったが、氷を操るサブ・ゼロをはじめ、役者の演技、視覚効果、音響など渾然一体となった完成度の高いシーンに、アクション映画の進化を見た。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    ゲームファンにはお馴染みのキャラクターの背景を繋ぎ合わせて物語を作り上げているからか、原作ゲームをプレイしたことがない自分には違和感しかない展開で、終始戸惑う。ただアクション演出は素晴らしく、場所、構図、タイミングを丁寧に計算した接近戦のリアルな見せ方、グロ描写もやりすぎで良い。それぞれのキャラに合わせたことがこちらでは活きている。特に真田広之の殺陣、所作は完璧で、長年舞台を選ばずストイックに挑み続けてきた本物のスターということを改めて実感。

1 - 3件表示/全3件