レスキューの映画専門家レビュー一覧

レスキュー

人命救助に力を尽くす海難レスキュー隊の熱き戦いを活写するサスペンス・アクション。ジャンボジェット機墜落、タンカー爆発など壮絶な災害現場に真っ先に駆けつける海難救助隊。隊長ガオ・チエンをはじめ隊員たちは、日々死と隣り合わせの任務を続けていた。出演は「コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝」のエディ・ポン、「長江 愛の詩(うた)」のシン・ジーレイ。監督は「疾風スプリンター」のダンテ・ラム。
  • 映画評論家

    小野寺系

    香港・中国版「海猿」と言っても支障ないくらいにその要素を拾いながら、映像面では大規模な実写撮影や特殊効果によって同作のそれを超え、広く世界に訴求するパニックシーンを完成させた。なかでも海中に沈みゆく無数の残骸をとらえたシーンは息を呑むほど圧倒される。一方、救出作戦の内容があまり伝えられないことでサスペンスとしての魅力がないのはもったいない。類型的で単純な人間描写や、香港の映画らしいとはいえ音楽の演出に統一感がないところは貧弱な印象を与えられる。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    海洋進出が目覚ましい中国の国情を反映しているとみた。が、ドラマはハリウッド張りの娯楽アクション。アクション場面の緊迫感、迫力は見応えは十分。撮影が「グリーン・デスティニー」でオスカーを獲ったピーター・パウと知り納得。ただ、ヒロインの救難ヘリのパイロットの役柄は優秀な設定なので、顔のアップを頻出させるよりも、活躍を見せてほしかった。それに加え、海難救助隊長のバックストーリーよりも、アクションに針を振り切ったらなおスカッとしたかも。悪い話ではないが。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    ポスターに躍る無邪気な惹句「10分に1回クライマックス!」はさすがに言い過ぎとはいえ、「海猿」シリーズなどの海難救助隊モノの面白要素全部乗せの贅沢な作品で、迫力の救助シーンの数々は、こんな大惨事が短期間に頻発するわけなかろうにというツッコミ所や、パキッとしすぎているCGの質感などに目をつむれば充分に楽しめるクオリティなのだが、彼らを過剰なまでに英雄として描いていることに関しては救命が犠牲的行為になってしまっていいのか、という疑問が頭をかすめる。

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