AVA/エヴァの映画専門家レビュー一覧

AVA/エヴァ

「女神の見えざる手」のジェシカ・チャステインが、女暗殺者に扮したアクション。完璧な容姿と知性、そして圧倒的な戦闘能力を持つ暗殺者エヴァ。組織の言いなりに任務をこなしてきた彼女だったが、人を殺す事への葛藤に苦しみ、やがて命令に背いて反旗を翻す。共演は「ハンターキラー 潜航せよ」のコモン、「RED レッド」シリーズのジョン・マルコヴィッチ、「ダンボ(2019)」のコリン・ファレル。監督は「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のテイト・テイラー。
  • 非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト

    ヴィヴィアン佐藤

    これほど素晴らしい名優たちと彼らの「演技」が次々と映し出されるが、何か虚しい気持ちになる。エンタメやアクション映画が悪いというのではなく、物語ることがあまりにもお粗末に扱われているのだ。結果、俳優たちはその「存在感」を発揮できず、表層的な「演技」に終わってしまっているように思える。彼らがそこに「映って」いるが「存在」していない、という極めて珍しい作品となっている。家族を思いやる悪人と、家族を築けず疑似家族を重んじる復讐人との対決構造は面白い。

  • フリーライター

    藤木TDC

    凡作。L・ベッソン「ANNA/アナ」やI・ユペール主演「エヴァ」と混同しそうな題で、内容も両作の折衷風。J・チャステインの年齢を口にすると怒られそうだから言わないが、同種の女性アクションならもっとイキのいい無名女優のDVDスルーや配信作品を見るほうが痛快だ。キャストが無駄に豪華でC・ファレルやJ・マルコヴィッチ、G・デイヴィスが出る場面は彼らに芝居させなきゃならないためか流れが緩慢に。古希前のマルコヴィッチが格闘シーンを演じたのはビックリ。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    これだけ個性的なキャストが揃っても、スッカスカな映画が出来上がることもあるんだな、と反面教師的に参考にしたい作品。あまり体型のことは言いたくないものの、ジェシカ・チャステインはトランジスタグラマーなため、キレのあるアクションに見えないのが玉に瑕。彼女が演じる「これから殺す人間の死の理由が気になる」殺し屋という屈折は、演技派らしい味付けだけれども、そこが生きていないので意味がない。家族との軋轢や依存症の過去なども感情に訴えてくる段階に至らず。

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