ドリームランドの映画専門家レビュー一覧

ドリームランド

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のM・ロビーが製作・主演を務めたドラマ。1930年代半ばのテキサス。17歳のユージンは、納屋で大ケガを負った強盗犯アリソンを見つける。アリソンが危険な人物だと知りつつ惹かれたユージンは、彼女を匿う。出演は、ドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』のフィン・コール。
  • 映画評論家

    小野寺系

    まだ見ぬ世界に巣立っていきたいという憧れは理解できるが、そんな青年の想いを小さな妹の視点で同情的に語っていく趣向は、女性に男性の身勝手さを応援させているような構図になってしまっていて、居心地が悪い。本作最大の演出的特徴だった、青年が大人へと成長するモーテルでの印象的な構図も、テーマを語る以外の意味で機能しているとは思えず、それぞれのシーンにも厚みを感じられないため、全体的に内容が薄いと感じる。マーゴット・ロビーの傑出した存在感に救われている。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    30~40年代を描いたいくつかの秀作と同質の、時代の感性を、終始まとっている。銀行強盗、男女の逃避行とくれば「俺たちに明日はない」が浮かび、期待も膨らむ。M・ロビーが脚本に惚れ込んで実現したそうで、さて彼女はF・ダナウェイに並ぶか……。結果は、彼女の情熱は存分に伝わり、かつかなりのシーンにドラマチックな要素は散見されるが、ストーリーには盛り上がりが不足。ロビーは能力もスター性も発揮しているが、相手のユージンのキャラクターが平凡だから、か。惜しい。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    田舎でくすぶっているツッパリ童貞君が逃亡中の美しき女性銀行強盗犯に出会い……というプロットは古典的とはいえ(かくいう自分もこの設定に類似したVシネマを撮ったことあります)総じて期待通りに展開する分かりやすさは娯楽映画としてはたいへん結構だし、モーテルの浴室で心を通わせてから初体験までの流れを長回しワンカットで捉えるなどの油断ならない演出もあるのだが、二人の事情や苦悩は理解こそできるものの、あまりに手前勝手な行動の数々に感情移入を阻まれてしまった。

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