地獄の花園の映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
北川れい子
ヒェーッ、オソれ入りました!! 勤務時間中に“組”ならぬ部署ごとのヤンキーOLたちが、廊下で向かい合って罵詈雑言の応酬!! そんなOL軍団と一線を画す堅気のOL数人。その抗争が他社との“テッペン取り”にまでエスカレートしていくのだが、ばかばかしさもここまで底が抜けていると四の五のいうのもアホらしく、逆に不思議なカンドーがわいたりも。それにしても番長級から番長を支えるチンピラOLまで、前へ前へ出ようとする女優たちの熱気の凄さ。その役名となりふりがまた痛快。
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編集者、ライター
佐野亨
「OL」ということばに付随する女性蔑視的な視線が問題視される時代に「地上最強のOL」をめざす女性たちのステゴロ戦。日本の会社組織への痛烈な皮肉と思いきや、彼女たちは社内では白眼視される存在であり(にもかかわらず彼女たちの喧嘩が会社の明暗を決める滅茶苦茶な設定)、一方で「普通のOL」とは電話応対や書類のコピーをソツなくこなす女性社員のことだという。そして、その女性たちの闘争も結局は男性の愛を得ることで慰撫されるという時代錯誤ぶりに?然とした。
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詩人、映画監督
福間健二
ヤンキーOLたちの抗争。ありえないが、脚本のバカリズムと関監督、「ムリしなくていい」と「ムリでもやってしまえ」のバランスの取り方が最高。ヤンキー漫画の存在を前提とした作り方。大義名分なしの潔さで、近年のタランティーノの上を行く。大健闘の女優陣。広瀬アリスがカッコいいヒーローのパロディとして決まる。その先にアッと驚く展開で永野芽郁がおいしい主役の座に。遠藤憲一率いるトムスン一派のムリの累乗化と平穏無事な方のOLライフにもう一工夫とは思うが、痛快作。
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