ノンストップの映画専門家レビュー一覧

ノンストップ

韓国で公開週1位を記録したスパイアクション。揚げパン屋を営むミヨンとパソコン修理工の夫ソクファン、娘ナリは、景品でハワイ旅行に当選する。ところが、搭乗した飛行機が北朝鮮からのテロリストにハイジャックされ、ミヨンの隠されていた本能が目覚める。出演は、「ミス・ワイフ」のオム・ジョンファ、「無頼漢 渇いた罪」のパク・ソンウン、「消された女」のイ・サンユン、「SP 国家情報局:Mr.ZOO」のペ・ジョンナム、ドラマ『クリミナル・マインド:KOREA』のイ・ソンビン、「感染家族」のキム・ナムギル。監督は、「消された女」のイ・チョルハ。アクション監督は、「MASTER マスター」のチェ・ボンノク。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    序盤から、強引なカラーグレーディングが施された色調と日本のテレビドラマのような間の抜けた劇伴(ダメな韓国映画にありがちな二大特徴)に嫌な予感。コメディタッチのファミリードラマとスパイアクションが並行して描かれ、それが機中で交差するという作りだが、二つのトーンが最後までうまく噛み合わないまま空回りしている。テレビシリーズも含め世界を席巻中の韓国のフィクション作品だが、こういう作品にもドメスティックな需要が根強くあるという認識も必要。

  • ライター

    石村加奈

    韓国のマドンナ、オム・ジョンファの、万能エンターテイナーぶりが堪能できるアクション・コメディ。市場で人気揚げパン屋を営む、しっかり者のおかん・ミヨンから、元北朝鮮工作員チェ・グィスンとしての、衰え知らずの華麗なアクション技の数々(それもキャビンアテンダントの真っ赤な制服姿で!)、無事にハワイに着いてからは、花嫁を髣髴とさせる“花”のような純白の衣裳も着こなすなどワンダーな活躍は目にも楽しい。対して、夫役パク・ソンウンの魅力が霞んだのはやむなしか。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    ソウルに住む平凡な家族がハワイ旅行に向かう飛行機でハイジャックと遭遇、しかし一家の夫婦は実はそれぞれ韓国のエージェント、北朝鮮のスパイだった……という「Mr.&Mrs.スミス」「シュリ」「ダイ・ハード」を掛け合わせたような設定は、バランスが悪くないので楽しいが、邦題のわりにテンポが良くない。終盤の畳み掛ける伏線の回収とどんでん返しも、前半のコメディ展開に時間を割きすぎたのか、必要なシーンが足りなくて、バシッと決まらないのも惜しい。

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