トムとジェリー(2021)の映画専門家レビュー一覧

トムとジェリー(2021)

誕生80周年を迎えた「トムとジェリー」を実写化。多才だがお調子者の猫・トムと、見た目は可愛いがずる賢いネズミのジェリー。いつものケンカが原因で世界中が注目するパーティーが台無しになり、大失敗を挽回しようと犬猿の仲の2人は遂にタッグを組むが……。出演は「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツ、「アントマン」のマイケル・ペーニャ。監督を「ファンタスティック・フォー」シリーズのティム・ストーリーが務める。
  • 映画評論家

    小野寺系

    スラップスティックな追いかけっこをメインとする原作アニメの内容を実写映画にするのは困難に思えたが、考え得る選択肢の中からベターなものを選びとっていって、水準に達する娯楽作品に仕上げている。「ロジャー・ラビット」や「スペース・ジャム」同様の2Dアニメーション合成は、現在ではレトロだと感じるが、トムとジェリーの騒動が最も映えるだろう、高級ホテルでのセレブの結婚式や、アニメキャラのようなキャストたちの風貌など、題材に合わせた数々の工夫が功を奏している。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    人気の若手女優と80年あまり前に誕生した人気アニメのお馴染みのキャラクターの共演は、終始、実写とアニメがイマイチしっくり馴染まない。一流ホテルの中で冒険を繰り広げるネコとネズミのコンビと他の動物たちのアニメ部分のプロットは過不足ないが、実写部分は個性的な俳優を揃えた割にストーリーが練り不足。ただしC・G・モレッツはアニメの中にいても違和感はない。実写とアニメによるこのスラップスティック・コメディ、見ている間のそれなりの楽しさ以上のものがなく残念。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    2Dアニメと実写の融合は文句なしの出来とはいえ、自分にとってこの手の世界観を楽しむのにデジタル技術の進歩はさほど重要ではなく、そういう意味では三十余年前の技術で作られた「ロジャー・ラビット」と印象は大きく変わらないのだが、子どもの頃から慣れ親しんだトムジェリがリアルなニューヨークの街なかで追いかけっこする様は眺めているだけで楽しく、不満点としてはトムの体の可塑性を生かしたギャグが存外に少なかったことと、人間側のドラマにパンチが不足していたこと。

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