ツナガレラジオ 僕らの雨降Daysの映画専門家レビュー一覧

ツナガレラジオ 僕らの雨降Days

若手俳優たちによるwebラジオ番組『オールナイトニッポンiおしゃべや』をモチーフにしたオリジナルストーリーを映画化。神奈川県伊勢原市に集まった10人の若者たち。共同生活を始めた彼らは、かつて存在したラジオ局を自分たちの手で復活させようと奮闘する。出演は『仮面ライダーゴースト』の西銘駿、「PRINCE OF LEGEND」の飯島寛騎。監督は「LIVE FOR TODAY 天龍源一郎」や「通学シリーズ」を手がけた川野浩司。
  • 映画評論家

    北川れい子

    タイトルからてっきり、災害時に地元の若者たちが、地域の人々のためにラジオ局を立ち上げる話、と思ったら、何のことはない、劇中の10人の“僕ら”は自分の居場所探しでWebラジオをやっていて……。しかも彼らの言動は中高生の部活レベル、2人ずつの共同生活はまるで修学旅行でハシャいでいるガキ並。それでも終盤は自分たちなりの役目に気付きはするが、甘いし軽いし。重し役のイッセー尾形の泣かせ芝居もムリヤリ感が。あ、ロケ地の石段の多い雨降山は魅力的だった。

  • 編集者、ライター

    佐野亨

    ラジオ番組発の内輪的ファミリー感と伊勢原市のバックアップによる観光映画の能天気さが融合した企画で、それ以上でも以下でもない。旬の若手俳優目当ての観客にとっては随所に見どころがあるのかもしれないが、キャラクターも各々の葛藤もことごとくテンプレで、同じテンプレなら頑固な豆腐職人になりきってみせたイッセー尾形のほうがまだ面白い。「樹海村」でもよい仕事をしている福本淳のキャメラが、人物と空間の輪郭をくっきり切り取って映画の画面を成立させている。

  • 詩人、映画監督

    福間健二

    ネットのラジオ番組から生まれた作品。番組のパーソナリティの十人の若い男性が登場する。十人、これがかなりの無理。現実に十人の生活をネットラジオで維持できるかは問わないとしても、十人のキャラクターを描きわけるのは簡単じゃない。わざとらしい各自の自己紹介から、終盤に用意された「自分を取り戻す」「人のつながりの大切さ」まで、川野監督、月並みをなんとかしたいのだろうが、工夫は空振り気味。きれい目に撮っただけの画。歌もイッセー尾形もあまり活かされていない。

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