燃えよデブゴン TOKYO MISSIONの映画専門家レビュー一覧

燃えよデブゴン TOKYO MISSION

「るろうに剣心」などのアクション監督、谷垣健治が監督したドニー・イェン主演のアクション。ある事件がきっかけで閑職に異動させられ、婚約者とも別れた刑事のファーロンは、暴飲暴食がたたって“デブゴン”化。そんな彼が、日本で巨大な陰謀に立ち向かう。「カツベン!」の竹中直人、「孤狼の血」の丞威、「星屑の町」の渡辺哲、「事故物件 恐い間取り」のバービーらが共演。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    「え? 原題も英語題も邦題も同じなのにサモ・ハン・キンポー版のリメイクじゃないの?」とわかったようなことを言いたくなるが、ジャッキー映画に夢中になっていたクラスメイトを横目に、子供の頃からカンフー映画(特にコミカルなもの)が大の苦手だったことを告白しなくてはいけない。往年のカンフー映画のフォーマットに、日本のトレンディドラマ的なふた昔くらい前のテイストをまぶしてみせた谷垣健治監督の方法論は、オリジナリティという点では成功している。

  • ライター

    石村加奈

    その場にあるものをうまく利用するアクションの軽やかさが、映画全体に行き届いている。麻布警察署の外観や築地観光など、訪日外客的な視点で捉えたJAPAN情報をビビッドに取り込み、セットとの絶妙な調和を図る(甘栗屋の設定も面白い)ことで、東京タワーでのラストバトルの臨場感&迫力の倍増に成功。マギーのヘリネタまで、華麗に回収する脚本の完成度も高いが、冒頭、マスク姿の銀行強盗犯たちに「風邪ですか?」と声をかける行員の親切心がもはや通用しない時代とは切ない。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    ドニー・イェン、谷垣健治監督の師弟コンビが送る東京を舞台にしたアクションコメディ。そもそも主人公が太っている意味があるのかとか、日本のヤクザと警察の描き方が雑だとか、ヒロインがうるさいし心狭すぎとか、そんなつまらないことに引っかかる人は、このジャンルを心から楽しめないだろう(私だ)。歌舞伎町、東京タワーを再現したセットは素晴らしいし、その中でのドニーのアクションもキレていた。個人的には、次回、このコンビでシリアスなアクション映画が観たい。

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