昨日からの少女の映画専門家レビュー一覧

昨日からの少女

冴えない高校生と転校生の少女の恋を描いたベトナム発のラブストーリー。お調子者で成績最下位の高校生トゥーは、転校生の少女ヴェト・アンに一目惚れ。あの手この手でアプローチする。だが、恋愛下手のトゥーには、幼なじみとの忘れられない想い出があった。出演は「ベトナムの怪しい彼女」のミウ・レー、「ベトナムの怪しい彼女」のゴー・キエン・フイ。特集企画『のむコレ2020』にて上映。
  • 映画評論家

    小野寺系

    ベトナムのキラキラ映画ともいうべきピュアな恋愛作品で、映像にはツルンとしたキレイさがある。随所にCGが使われ、全体的な質はコントロールされているものの、男子高校生の恋愛と、少年時代の思い出が並行して描かれる構成は単調に感じられる。本筋のエピソードに大きな葛藤が存在せず、予定調和に進んでいく物語は安心できるが刺激が少ないし、陰の部分がない明快な演出で、引っかかる要素を見つけづらいまま進んでいくのはつらい。南国の植生や緑の色は美しく印象的だった。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    美人の転校生にひと目惚れしたお調子者の男子高校生があの手この手でアプローチするが、実は彼女は……、だった。結末で……部分が明かされるまで、10年前の子ども時代の回想シーンがやたら多く、鬱陶しい。例えば時間を超えるファンタジーにするなどの工夫があればすっきりしたかも。それにしても、ことあるごとにしなを作る女性教師、唐突に浮上した体育教師と級長の関係、その?末など、理解が及ばない。加えて演出のもたつきにも不満あり。風景の美しさには目が和むのだが。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    説明過多のナレーション、人物の心情や動きに律儀にリンクさせるミッキーマウシング的手法の音楽のあて方など、とにかく描写が脂っこくてゲップが出てしまうとはいえ、キラキラ映画としてはかなり誠実に作り込んでいるし、幼少時代の物語はすこぶる可愛らしくて好感が持てるのだが、過去と現在の恋模様をさほどの必然性もなく交互に見せてゆく構成のうえに額の傷などという「愛と誠」な古典ネタを被せてしまったら、多くの観客は中途で大オチが読めてしまうのではないでしょうか?

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