ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズの映画専門家レビュー一覧

ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズ

「探偵なふたり」のクォン・サンウ主演によるラブコメディ。“離婚式”を経て、夢にまで見たシングルライフを満喫するヒョヌ。だが、6か月ぶりに元妻ソニョンと再会、第二の結婚のような危険な生活が始まった。そんななか、旧友で恋愛音痴のサンチョルが現れ……。共演は『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』のイ・ジョンヒョン、「お料理帖 息子に遺す記憶のレシピ」のイ・ジョンヒョク。監督は『用意周到ミス・シン』のパク・ヨンジプ。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    韓流ドラマ的というよりも、この牧歌的で弛緩した作品の空気感は韓流ドラマにも少なからず影響を与えてきた日本の90年代トレンディドラマ的と言うべきか。演出も脚本も、間違えてテレビの世界から映画の世界に迷い込んでしまったかのような緊張感のなさで、冒頭のシーンの時点で誰もがラストシーンを予想できてしまう。おそらくはクォン・サンウのファンムービーとして消費されるであろう本作だが、かつて日本でも活躍していたイ・ジョンヒョンは相変わらずチャーミング。

  • ライター

    石村加奈

    制服姿(!)のクォン・サンウとイ・ジョンヒョクが、高校の屋上で殴り合う回想シーンのデジャヴ感は、「マルチュク青春通り」(04)から来ていたのか! なつかしの小ネタも含め、俳優陣のプロ意識の高さが、冒頭の離婚式のコント感を薄めて、大人のラブ・コメディへと舵を切る。サンウから「キレ子」と名づけられる元妻が憎めないのは、偏にイ・ジョンヒョンのチャームに因る。素晴らしい酔演を披露する。いただけない犬ネタも「夫婦喧嘩は犬も~」というオチを導く意味ではお見事。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    最初から最後までなぜ主人公カップルが結婚し、離婚し、また恋愛していくのかよくわからなかった。それが「恋愛して結婚する」ことの本質を描いているのかもしれない。そういう意味ではコメディ版「ブルーバレンタイン」と言っても良い。とにかくサンウが楽しい。おなじみの肉体美を披露しつつ、42歳にして高校時代も自分で演じ、まさかの排便シーンまで。それでも下品にならず、全て笑いに変える彼の可愛げだけが本作を恋愛コメディたらしめている。

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