トロールズ ミュージック★パワーの映画専門家レビュー一覧

トロールズ ミュージック★パワー

    「ボス・ベイビー」のドリームワークスが贈る、音楽好きな妖精の世界を舞台にした3Dアニメ。トロールズが暮らすポップ村の女王ポピーのもとに、ロック村の女王バーブから手紙が届く。この世界に別の仲間がいることを知ったポピーたちは胸を躍らせるが……。声の出演は、「ピッチパーフェクト」シリーズのアナ・ケンドリック、「女と男の観覧車」のジャスティン・ティンバーレイク。
    • 映画・音楽ジャーナリスト

      宇野維正

      日本で前作はソフトスルー、北米では結果的に今作が劇場公開から配信公開へのシフトのメジャー作品1作目になるという、不思議な逆転現象に。音楽ジャンルとそのトライブの対立というテーマは、迂闊にやると大事故になりかねないネタだが、レゲトンやKポップまで押さえてみせる制作陣の視点のシャープさと正確さには感心した。ただ、キャラクター大国である日本の感覚に慣れ親しんでいるせいもあるのだろう、どうしてもトロールたちの造形を「かわいい」と思えない。

    • ライター

      石村加奈

      幕開けはダフト・パンクの〈One More Time〉。ポピー登場シーンで流れるのは、シンディ・ローパーの〈Girls Just Wanna Have Fun〉のカバー。ポップ・トロール女王のキャラクターを象徴するようなナンバーに期待が高まったが、「親友」や「信頼」というテーマに対して、楽しげな音楽でお茶を濁し、何のプロセスも経ないヒロインはやや魅力に欠ける。サム・ロックウェルが声優を務めた、ヒッコリーのイメージがイーストウッドとは面白い。小ネタを知ると、より楽しめるのかもしれない。

    • 映像ディレクター/映画監督

      佐々木誠

      子供の頃、「キャプテンEO」を観て夢中になり、マイケルとその背景にある音楽にハマっていった思い出があるが、本作は、そんなEOの魅力を継承したような“音楽をめぐる”アトラクション映画。大人は記憶にちりばめられた様々なジャンルの音楽を浴び、子供は新鮮な体験として受け取り、それが共有できるのも楽しい。「多様性」から派生する問題を音楽のジャンルの違いに落とし込んで描き、「文化の盗用」にまで言及していて、ただのアトラクションで終わらせないのが見事。

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