シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たちの映画専門家レビュー一覧

シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち

実話からインスパイアされたヒューマンドラマ。元五輪銀メダリストの水泳選手マチアスは、同性愛者への心ない発言の罰として、ゲイの弱小アマチュア水球チームのコーチをすることに。練習よりもパーティーが好きなメンバーをまとめ、大会出場を目指すが……。モデルとなった水球チームの一員でもあるセドリック・ル・ギャロが、マキシム・ゴヴァールと共に共同監督・脚本を担当。出演は、「美女と野獣」のニコラス・ゴブ、「15ミニッツ・ウォー」のアルバン・ルノワール。
  • 映画評論家

    小野寺系

    モデルとなったゲイたちの水球チームの実際のメンバーが監督しているだけあって、少々えげつない部分まで遠慮なく表現できているところが魅力。ゲイ差別に遭う描写も存在するが、それよりも人生を楽しんでいる姿を見せつけることで共感を広げようという試みも納得できる。ただ、パーティーやダンス、カラオケなど、メンバーがハイテンションで繰り広げる騒ぎは、観客側を置き去りにしている印象も。とくに後半はシナリオが放棄され、全体の構図が崩れてしまっているように感じられる。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    不明にして「ゲイゲームズ」という大会の存在を知らなかったが、水泳プールを舞台にした男たちの話を昨年から数本見ているので、既視感がちょっぴり。それでも、コスプレやクラブでのカラフルで賑やかなパーティ場面、音楽など、予想に違わずそれなりに楽しむことはできる。その反面、元五輪のメダリストの同性愛者に対する無理解に端を発した主題がもつメッセージがかなり曖昧に。無害な娯楽作品の役割は果たしているものの、LGBTQ問題の議論が盛り上がる今日、物足りない。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    オリンピック選手が差別発言の罰としてゲイの水球チームのコーチをやることになり……という実話がもとになってるとは思えないオモシロ設定で、ことあるごとに乱痴気騒ぎをするゲイ描写は少々デフォルメが過ぎると感じるし、全ての試合をモンタージュで流してしまってることにも物足りなさを覚えるのだが、この手のモチーフを喜劇映画で扱っているのは進歩的で、レズビアンに対する差別発言をたしなめられたゲイの「マイノリティの特権よ」という反論には考えさせられるものがある。

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