薬の神じゃない!の映画専門家レビュー一覧
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非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト
ヴィヴィアン佐藤
中国武漢で発生したとされる新型コロナウイルス。中国政府の様々な公式発表は到底信頼できない。劇中でも政府が認めたものだけが正規となり、それ以外は偽物という定義。内容ではなく政府による認証がすべて。だから政府が発表したものには偽物や嘘は絶対にない。国家からしてそういう定義なのだ。しかし血の通う国民はすべて都合よく定義には収まらない。どの組織にもはみ出す者は必ずおり、その人間が少しずつ社会を変えていくのだ。国家ではなく国民の幸福を優先する姿勢。
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フリーライター
藤木TDC
インド製ジェネリック薬=インジェネがモチーフの映画は珍しい。グレーゾーン商品だが日本国内にもED治療薬や発毛促進薬のインジェネは出回り、購入経験者にインドの知財特許事情やアンチ派からの粗悪品説はおなじみ。それでも安いし効くから手を出すのだ。医療保険制度の手厚い日本ではインジェネを選ぶ必要性が低く、関心のない人々に本作の核心は理解しにくいかもしれない。映画は人物造形に味があり快調だが、インジェネ問題を脇に置くとステレオタイプな人情喜劇の域を出ない。
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映画評論家
真魚八重子
医療費の問題は各国様々だが、日本でも概算医療費の上昇化が進んでおり、薬の認可の不合理さは他人事ではない。実話を基にした本作は医薬品を巡って、ダイレクトに人間の選別の原因となる貧富の差に触れる。経済力のない人間の藁をもすがる思いの描写は細かい。ただ映画的には非常に地味な作りで、単調さは否めない。やさぐれた青年が主人公に心を許した後の展開なども月並みだし、バスを見送って人々が手を合わせるカットも安易に流れていて、もう少し個性的な演出が欲しい。
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