新喜劇王の映画専門家レビュー一覧
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非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト
ヴィヴィアン佐藤
チャウ・シンチーの作品は初体験。夢を諦めず何度も何度も立ち上がり屈しない。痛さを通り越し、いい加減呆れる。全篇にちりばめられているナンセンスな笑いには付いていけず、更に痛さを増す。成功や夢とは一体何なのか? 主演を勝ち取ったり、賞を受賞することだけが成功ではない。繰り返す失敗や挫折に呆れながらも、しかしいつの間にか応援している自分に気付く。その報われない主人公の姿はまるで私自身。感じた嫌悪感はまるで自分を見ている居心地の悪さからだった。笑。
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フリーライター
藤木TDC
近年CG多用のファンタジーばかり撮っていたチャウ・シンチーが原点回帰しベタなアナログギャグで構成したナンセンス喜劇。前作そのまま大時代な映画撮影所を舞台に、例によって美人女優を汚しまくる監督の趣味が炸裂。新人のエ・ジンウェンは用意されたヨゴレ芝居をなりふり構わず演じるものの、華のなさが役に重なりすぎて笑いにならない。ハーマン・ヤウ共同監督のクレジットからも古い香港映画的な何らかのワケアリ感が漂い、星爺迷には楽しめても一般人には受けないだろう。
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映画評論家
真魚八重子
デ・パルマの「ドミノ 復讐の咆哮」同様に、本作もチャウ・シンチーの映画を好きでずっと観てきたファンには面白いけれど、シンチー初見の鑑賞者には持ち味が伝わりづらい気がする。シンチー自身が主演しなくなって以降の作風なので、強く魅了されるインパクトがあるわけではないが、小品ながら癖のあるシュールな毒気とベタな笑いが共存する。世界観は相変わらずで、ちゃんと助演の登場人物たちのその後を拾う丁寧なカットもあり、きっちり落ち度のない娯楽作に仕上がっている。
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