ハニーボーイの映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
小野寺系
ハリウッドでも奇行で有名なシャイア・ラブーフの自伝的な脚本だという。清々しいほどにクズな父親の存在と、息子への虐待行為が赤裸々に描かれ、それがラブーフの精神状態に影響を及ぼしたという流れに。その意味では、これは彼のリハビリの一環だととらえることができるし、同時に一種の暴露本のような役割を持つ作品でもある。それ故にまだ心の整理がついてない部分も見られ、家父長制の暗部を扱った分析的な傑作アニメシリーズ『FはFamilyのF』と比べると幼さが際立つ。
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映画評論家
きさらぎ尚
人気子役として家計を支えた主人公は、歪んだ愛情しか示せなかった父親を、「父がくれた価値あるものは痛みだけ」とカウンセラーにぶつける。この父親役こそ脚本家S・ラブーフ。つまり治療中にセラピーの一環で書いた実体験が映画化され、自身のトラウマの原因になっている父親を演じているわけで、当人の感情はいかばかりか。ともかく物語のために考え抜かれたものとは異質の、刺しこむような痛みに襲われるのは、このせいだったのだ。ラブーフがトラウマから解放されたのならいいが。
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映画監督、脚本家
城定秀夫
撮影、照明の仕事は完璧だし、ダメ父ちゃんと子供の芝居もいいし、これはきっと素晴らしい映画なんだろうな、と思いながら観たのだが、過去と現在を交互に見せる脚本は整理はされているものの、シーケンス個別には推進力が付加されていないため、行ったり来たりするばかりで前に進んでいかないのがどうにも退屈で、肝心の内容自体も自分にはあまり刺さってこないがゆえ、90分そこそこの尺が長く感じた……とはいえ、恐らく多くの人にはイイ映画だと思うので、星はあてになさらず。
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