プレーム兄貴、王になるの映画専門家レビュー一覧

プレーム兄貴、王になる

「バジュランギおじさんと、小さな迷子」のサルマン・カーン主演のコメディ。下町の貧乏役者プレームは、憧れのマイティリー王女の婚約者、ヴィジャイ王子と瓜二つだったことから、継承者争いに巻き込まれて意識不明となった王子の替え玉に仕立てあげられる。出演は、「パッドマン 5億人の女性を救った男」のソナム・カプール。
  • 映画評論家

    小野寺系

    あえて“王道”、“インド娯楽映画”らしい映画を提供するという試みが清々しく、ダイナミックな映像や演出が楽しい作品だし、そういった時代錯誤的な要素を自虐的に指摘してみせる描写もあるが、それでもさすがにストーリー展開が型にはまり過ぎなのでは……。古典的な内容が、いまの時代や社会の問題につながりを見せる瞬間がこないままに終わってしまうので、どうしても空疎な映画に感じられてしまう。王女役のソーナム・カプールの神々しいまでの美貌には圧倒された。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    アクションありコメディありラブロマンスあり、そのうえ浮世から離れたおとぎ話の世界で歌って踊っての、てんこ盛り。これを伝統的なインド映画だと言ってしまえばそれまでだが、画面が極限まで賑々しく、かつ色彩にあふれているわりには、響くものが少ない。街の役者が意識不明の王の影武者にされるという、いわゆる替え玉ものはコメディの定番であり、偽の王に仕立て上げる王宮の家来、王位を狙う敵役、婚約中の王女と、定番に必要な駒は揃っているのに。過ぎたるは何とやらの感。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    深刻な格差社会の上に成り立っている王族たちの豪奢を極めた日常や家族愛、恋愛模様を何のエクスキューズもなしに能天気に見せつけてくることに微妙な気持ちになる……なんて野暮は言いっこなしで、歌って踊りまくるインド映画らしさに溢れた娯楽作品として胃もたれしながらもお腹いっぱい堪能したのだけれど、個人的にインド映画に最も感じている不満「尺が長い!」はなんとかしてほしいところで、164分ともなれば気楽に観られる長さじゃないし、普通におしっこ行きたくなった。

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