キャッツの映画専門家レビュー一覧

キャッツ

1981年のロンドン初演以来、今なお世界中で愛され続ける同名ミュージカルを「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー監督が映画化。満月が輝く夜、白猫ヴィクトリアは街の片隅のゴミ捨て場に迷い込み、歌やダンスで自身を表現しようとする個性豊かな猫たちに出会う。出演は「イエスタデイ」のジェームズ・コーデン、「ヴィクトリア女王 最期の秘密」のジュディ・デンチ、英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルダンサーのフランチェスカ・ヘイワード。
  • ライター

    石村加奈

    11年3月、劇団四季『キャッツ』を観た時、自分もジェリクルキャッツになったような解放感を味わった。エンターテインメントの力が、東日本大震災直後の強張った心をほぐしてくれたのだと思う。本作もT・フーパー監督が微に入り細を穿つ(猫耳の精緻な動き!)豪華な世界へ観客を誘うが、傍観の域から脱出できず。グリザベラの〈メモリー〉も素敵だが、出色はT・スウィフト扮するボンバルリーナの〈ビューティフル・ゴースト〉。吹替版では、森崎ウィンのミストフェリーズに期待大。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    以前舞台版を観た。豪華な美術セットと計算されつくした装置で彩る異世界感、鍛え上げられた演者達の歌唱とダンスに圧倒され頭では凄いと思うが、なぜか心に響かなかった。この映画版、乗れるか乗れないかは冒頭で分かれるだろう。舞台版に敬意を持って映像化しているが、演者を猫化したヴィジュアルエフェクトは斬新、悪趣味なグロテスク演出も盛り込まれている。俺は何を見ているんだ? とまるでトリップしたような感覚に陥る、ある意味舞台版を超えた異世界観だった。

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