Daughters(ドーターズ)の映画専門家レビュー一覧

Daughters(ドーターズ)

東京でルームシェア生活を送る2人の女性の人生の変化を、一方の目線から見つめるヒューマンドラマ。マンションの1室で暮らす共に27才の小春と彩乃は、よく働き、よく遊び、自由を謳歌する毎日。そんなある日、小春は突然、彩乃から妊娠したことを告げられる。小春を「ダンスウィズミー」の三吉彩花。彩乃を「ソローキンの見た桜」の阿部純子が演じ、本作が初長編となる津田肇が監督を務める。
  • フリーライター

    須永貴子

    “動く女性誌”のような映画。想定読者層は、仕事でもプライベートでも東京を謳歌している、もしくは東京に憧れる、10~20代の女性。モデルの設定は、中目黒でルームシェアをする、27歳の美しい2人の女性。ファッション、音楽、インテリア、食のトレンド、旅行記事のほか、「女同士の友情って難しい!」「初めての妊娠・出産」「新しい家族の形」といった2色印刷の読み物ページも充実。雑誌好きとしては楽しめたが、「映画とは何なのか?」という疑問が頭にちらつく。

  • 脚本家、プロデューサー、大阪芸術大学教授

    山田耕大

    なぜこれを劇映画にしようと思ったんだろう。メジャー大作だろうが自主映画だろうが、映画を作るには大変な労力を要する。それに見合うようなものでないと労力が報われない。これには劇(=ドラマ)はほんどない。出産は命がけの営みなのに、誰も汗一つかかない。激情に駆られて泣き叫んだり、どうにもならない自分に苛立って暴れたりという人間らしい有り様がはしたないとでも思って撮りたくなかったのか。おかげて、人に何の感銘も与えない、映画みたいなカタログが出来上がった。

  • 映画評論家

    吉田広明

    ファッション業界で働く二人の女子が中目黒でルームシェア、一人が妊娠、シングルマザーとして出産を決心する。詩のようなモノローグ、PVさながらの美しい映像、おしゃれな音楽でガールズ・ムーヴィー風なテイスト。しかしそのために犠牲にされたものは多く、父親は種を植えただけで画面から去り、その存在はもはや問題にもされず、出産、子育てにはルームメイトが二人三脚、親も会社も物わかり良く、彼女らを補助してくれる好条件。ナカメ界隈だとこんなおとぎ話が成立するのか。

1 - 3件表示/全3件