ゴジラvsコングの映画専門家レビュー一覧

ゴジラvsコング

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」に続く“モンスター・ヴァース”シリーズ第4弾。壊滅的な被害を受けた地球で再建が進むなか、特務機関モナークは危険な任務に挑み、巨大怪獣の故郷の手がかりを追っていた。だがその頃、ゴジラが深海の暗闇から姿を現す。出演は「ターザン REBORN」のアレクサンダー・スカルスガルド、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のミリー・ボビー・ブラウン、「ティーンスピリット」のレベッカ・ホール、「チャイルド・プレイ(2019)」のブライアン・タイリー・ヘンリー、「罪の声」の小栗旬。監督は「ザ・ゲスト」のアダム・ウィンガード。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    レジェンダリー・ピクチャーズのモンスターバース唯一の内容的な成功作は「キングコング:髑髏島の巨神」だが、同作の設定を直接的に引き継いだコング周りの描写は悪くない(それほど良くもないが)。一方、コングと違って過去2作品で行き当たりばったりの描写に終始してきたゴジラに関しては、本作においても地に足がつかぬまま、その設定や周辺キャラクターの役割が定まっていない。北米で映画館体験が見直されるきっかけとなった功績に免じて、酷評することは避けるが。

  • ライター

    石村加奈

    世相を反映した作風は、どこまで意図的なのだろうか。ゴジラとコング、迫力満点の頂上決戦が繰り広げられる場所にも、意味があるように思えるのはゴジラシリーズの特性ゆえか。「人類は再び生物界の頂点に立つ」と恍惚と語るエイペックス社CEOや、芹沢蓮(小栗旬)の進歩のない狂気は、昨今よく耳にする「人類が~打ち勝った証」発言などとも重なり合う。駄目な大人に対して、マディソンやジアら子供たちの正気に救われた。ハイテクマシンのロック解除法が、意外にも古典的で愉快。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    モンスターバースは毎回監督のむき出しの怪獣愛が楽しいが、今作は集大成ということで色々詰め込み、駆け足感は否めない。両雄のガチバトルはそれぞれのキャラを活かした(コングの八艘飛びまで見られる!)シリーズ随一の完成度。人間が彼らとどう共存していくかというテーマもより掘り下げているが、良くも悪くも軸はあくまで怪獣対決で、さらに群像劇なので視点が多すぎてドラマは薄い。アレをアレする小栗旬演じる人物がキーなのだが、もう少し見せ場があっても良かった。

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