「間諜X27」のストーリー

世界大戦が始まってから2年、1915年の秋、オーストリアはウィーンの裏町に幾多の売春婦たちが、崩れ行く祖国を眺めながら寂しく日を送っていた。その中から強く祖国を愛する1人の女が、時のオーストリア秘密探偵局長に拾い上げられた。そしてスパイX27号として彼女の名は陸軍省機密書類の奥ふかく記録されたのである。仮装舞踏会の一夜、X27号の任務の手は売国奴ヒンダウ大佐に近づいてその夜の中に彼を自殺させてしまった。その直後、彼女の手はオーストリア将役の仮面を被った敵国ロシアのスパイ、クラノウの身辺にのびた。けれどお互いにスパイであることをしりながら2人は熱烈な恋に陥り始めた。この恋のいまだ日浅くして彼は逃れてロシアに帰り、続いて重大な任務を帯びたX27号がロシアに潜入した。数日の後X27号は国境近きロシアの将校宿舎に住み込んでいたが、不幸にもクラノウに捕らえられて銃殺を申し渡された。けれども恋にもゆる彼の情けにより、彼女は再び祖国の土を踏むことができた。その年も暮れて冬が来た。X27号の罠にかかった多くのロシア兵は続々として将軍の前に引き出された。その中に愛するクラノウを見いだした彼女は、その恋ゆえに任務を売って彼を逃がしてやった。その罪は反逆、計は死に該当。辛辣なる判決の後、彼女は売国奴X27号と知れ静かに獄屋に下った。やがて明け方近く純白の雪の上に時ならぬ鮮血をとばしてX27号の若き生命は終わった。