「歌え!踊れ!(1926)」のストーリー

ちょっと歌えてちょっと踊れてちょっとした小咄しが得意の寄席芸人ハッピー・ファレルはちょっと当てたので久し振りに彼にとっては大枚の金を懐にしたので、ニューヨークはブロードウェイの一流寄席芸人になりたいという日頃の望みを達っせんものと幼馴染みのレオラという同じ田舎回りの旅芸人と共々、ブロードウェイの大センセイションたるべく意気込んだがてんで物にならず挙句の果は一文無し。ヤケ気味で少々逆上したハッピーは2人の紳士を追剥ぎしようとして却って武器を取上げられ、これには仔細のあることと身上話をすると件の紳士の1人はネルソンというある劇場支配人だったので、そんならとにかく腕前を見せてもらおうということになった。ハッピーが是非にというのでレオラも舞台に立った。するとハッピーは散々の味噌をつけたがレオラは大成功を博した。マードックという金持の絵師はレオラに首ったけ惚れ込んだ。ネルソンはハッピーに千ドルを貸し与えて故郷へ帰って地道な商売をするようにと勧めた。しかしハッピーの心は舞台に飛んでいた。彼は3年間というもの毎夜毎夜歌と踊りと軽口の稽古を励んだ。そうして再びニューヨークに行って今度こそはとネルソンに泣き付いて舞台に出してもらったがやっぱり駄目だった。彼が結婚を申込もうと思っていたレオラは今やミュージカル・コメディーの花形になっていた。ハッピーはそれを見物し彼女がマードックの許嫁であることを知った。彼はしかしハッピーと言われる程の楽天家だった。繁昌しかけた商売をやめて今の彼の唯一の幸福たる田舎回りの旅芸人となって渡り歩いた。