「北京の55日」のストーリー

1900年の初夏、山東省に蜂起した義和団は清国に進出した西欧勢力とキリスト教徒を本土から追放しようと勢力を増し、ために北京の外国人たちの不安は高まった。この頃ルイス少佐(チャールトン・ヘストン)の米海兵隊が北京に来た。秘密に包まれた紫禁城の奥で、清朝の西太后(フローラ・ロブソン)が側近の端郡王(ロバート・ヘルプマン)と寵臣栄緑将軍(レオ・ゲン)たちの密議中で義和団の力を利用して外国勢力を一挙に国外へ追放することを決め、団を蔭で後援することにした。ルイスはロバートソン卿(デイヴィッド・ニーヴン)の主催する舞踏会でロシア男爵未亡人ナタリー(エヴァ・ガードナー)に会い、一目で2人は互いに強くひかれた。だが、ロシアに帰らねばならないナタリーが旅支度をしている時情勢が急変した。ドイツ公使が路上で義和団たちに殺されたのである。この現場を偶然ホテルから見た少佐はその指揮官端郡王を西太后に報告し抗議したが、逆に彼女は各国外交団の北京退去を警告した。この日、義和団の外国人居住地に対する攻撃が開始され、ナタリーも篭城を余儀なくされた。11ヵ国の外国人たちは一体となって防衛した。ナタリーも野戦病院の看護婦として働くことを惜しまなかった。少佐は天津の救援軍へ連絡のため北京を脱出したが失敗、北京へ帰るため敵中を潜行、やっと帰りついたとき、ナタリーの死を聞き、暫し虚脱した。火炎瓶作戦などで少数の連合軍は55日間の篭城に耐えた。そして砲煙の間から救援の軍が姿を現し市内の外国人たちは狂喜した。見事戦い遂えたのである。新しい任地に出発するルイス少佐はこの戦いで孤児になった混血娘を連れて思い出深い北京を後に、名物の黄塵の中に消えていった。