「生命の切札」のストーリー

ニュー・オルリーンズの町近くミシシッピー河の沿岸に農園を持つランドール少佐の娘アデールは、謝肉祭の夜、カフェーにおいて危ない所を助けられたことから1人の若者と知り合う。若者はカメオ・カービーと呼ばれた博徒であったが、それを知らぬアデールには彼がいやしからざる素性の者に思われた。それもそのはず、カービーはその昔、貴族の家にうぶ声あげし男であった。それが機縁で2人の間には恋の花が咲きかかる。しかしカービーが彼女を邸に送り届けた時、彼は別離の悲しみに閉ざされながら立ち去らなければならなかった。アデールもあまりに果敢なく散った恋をあきらめかねていたが、やがて父親から命ぜられるままに河上の農園におもむく。かくて日を経ること数旬、カービーは仲間ラーキンとミシシッピー河を往来する船中にいた。その船には図らずもアデールの父、少佐が乗っていたが、同船のジャックという博徒は、少佐が数多の金を所持しているのを嗅ぎつけ博奕に誘った。もとより素人の少佐の敵しようはずなく所持金は瞬く間に巻き上げられる。そして最後の運試しに賭けた農園も途中から加わったカービーの手に落ちてしまう。だが生来侠骨のカービーはその農園を再び少佐に返却する決心をする。しかし数刻の差で悲嘆に暮れた少佐は自殺してしまう。詮方なく少佐の農園に赴いたカービーは思いがけなくそこに恋人アデールを発見する。そして彼女が少佐の遺児であることを知って彼は農園譲渡証を残して去ろうとする。だがその際、突如姿を現したジャックの一言から恋人はカービーを父の仇と誤解して恨みを感じる。カービーは怒ってジャックに挑戦し恨みを果たしたが、ジャックの情婦リアはカービーを殺人者として訴え出る。カービーは譲渡証を示して恋人の誤解をようやく解き得たが既に逮捕の手は負っていた。しかし彼が拘引されんとする刹那、仲間ラーキンが拉し来たリアの自白によってカービーに被せられた罪はいっさい晴れ、アデールは再び彼の腕に戻ったのである。