「愛と野望のナイル」のストーリー

1850年代、植民地開拓時代の大英帝国は、領土拡大の野心に燃え、アフリカ最深部ナイル川の源流発見に莫大な懸賞をかけていた。1854年、ザンビアで出会ったふたりの探検家リチャード・バートン(パトリック・バーギン)とジョン・スピーク(イェーン・グレン)は、ナイルの探検の中で結束力と友情を深めてゆき、やがて当時の大英地理学協会から一切の援助を約束されるほど信頼されるようになる。その間バートンは、イザベル(フィオナ・ショー)という女性と恋におち、時の権力者ヒューストン卿(ピーター・ヴォーン)の後ろ立てもあり、幸せな日々を送っていた。一方スピークは、その野心ゆえ出版者ローレンス・オリファント(リチャード・グラント)に、すべての面でいいように操られていた。1858年、再度旅に出たふたりは、精神的極限状態の中で、バートンは重傷を負い、スピークは裏付ける何の確証もないまま、ナイルの源流とおぼしき湖を発見する。こうして、2人に起きた事実を裁定する裁判に臨んだ時、スピークは自殺する。第三者の思惑の中で疲労し、死を選んだ友の最期に、バートンは無念の思いを噛みしめるのだった。