「アンドロクレスと獅子」のストーリー

紀元前161年の大ローマ帝国では、キリスト教徒への迫害虐殺がさかんに行われていた。仕立屋アンドロクレス(アラン・ヤング)は教徒狩りにあって山中へ逃げ、足にとげを刺して苦しむライオンに出会う。とげをとってやるとライオンは親しげにすり寄ってきたが、そこをローマ兵士に発見され、魔法使いとして捕らえられた。捕らえられた教徒たちは隊長(ヴィクター・マチュア)の指揮の下に、ローマへ死の行進を続けた。アンドロクレスは貴族出のラヴィニア(ジーン・シモンズ)と、列の先頭に立って進む。途中、怪力のキリスト教徒フェロヴィアス(ロバート・ニュートン)が、一行に加えられた。ローマに着いて、処刑の前夜、ラヴィニアに思いをかける隊長は彼女に改宗を勧めたが、ラヴィニアの堅い信心は揺るがなかった。処刑当日、斗技場に集まったローマ人を前にキリスト教徒たちが引き出されたが、武力を嫌う彼らは誰1人、剣をとろうとはしなかった。しかし、豪勇フェロヴィアスはただひとり戦闘意識に駆られ、たちまち7人をなぎ倒す。フェロヴィアスは殺生の悔恨に沈むが、これを見たシーザー(モーリス・エヴァンス)は新記録だと喜び、教徒全員を無罪放免する。だが、1人だけライオンの餌食に供されることになり、アンドロクレスが選ばれた。ところが、ライオンは彼にじゃれついてきた。アンドロクレスがかつて助けた、例のとげを刺したライオンだったのだ。シーザーはますます感激してアンドロクレスの控室を訪れたが、ライオンに吠えつかれて進退窮し、危うくアンドロクレスに助けられた。アンドロクレスはライオンを与えられて釈放され、フェロヴィアスはシーザーの親衛隊に加えられた。